【練馬区】ルネグラン上石神井
上石神井駅徒歩5分・全106戸・3LDK|建築士が見た"植栽の意図"
この記事では、敷地の読み方・1,000㎡超の中庭が持つ意味・周辺中古との価格比較・ハザードまで、購入判断に必要な情報を一級建築士の目で整理します。
結論から言えば、「閑静な住宅地に根を張って長く住みたい」ファミリーに響く物件です。一方で、主要駅へのアクセスや線路騒音という弱点も正直に書きます。
一級建築士として20年、設計の現場から見てきた目線で書きます。
最後に「こんな人にすすめる/すすめない」の判定もまとめています。
物件概要
SECTION 01 / OVERVIEW
スペック
| 所在地 | 東京都練馬区上石神井四丁目610番28他(地番) |
|---|---|
| 売主 | 総合地所株式会社 |
| 施工 | 株式会社長谷工コーポレーション |
| 管理 | 株式会社長谷工コミュニティ |
| 規模 | 鉄筋コンクリート造 地上4階建 3棟構成 |
| 総戸数 | 106戸(販売対象外1戸を含む) |
| 敷地面積 | 7,688.88㎡ |
| 用途地域 | 第一種低層住居専用地域 |
| 間取り・面積 | 1LDK+S〜4LDK・58.28㎡〜91.37㎡ |
| 竣工予定 | 2026年8月 |
| 入居予定 | 2026年9月 |
| 価格帯 | 8,200万円台〜1億4,800万円台(第2期7次・2026年5月時点) |
| 管理費 | 14,700円〜23,100円/月 |
| 将来の管理費用(修繕積立) | 6,420円〜10,060円/月 |
| 駐車場 | 43台(20,000円〜22,000円/月) |
| 駐輪場 | 106区画(600円/月) |
主要駅へのアクセス
| 主要駅 | 所要時間/乗換回数 |
|---|---|
| 新宿(JR) | 約26分/1回(西武新宿線→高田馬場→山手線) |
| 西武新宿 | 約15〜23分/0回(直通・各停) |
| 池袋(JR) | 約33分/1回(高田馬場→山手線) |
| 渋谷(JR) | 約38分/1〜2回(新宿経由) |
| 東京(JR) | 約50分/2回(高田馬場→山手線→東京) |
※平日朝時間帯のGoogle Maps乗換案内に基づく目安。上石神井駅には急行は停車せず、各駅停車のみ運行。
一級建築士ryoが見る「敷地と街区」
SECTION 02 / SITE & CONTEXT
この物件の敷地はもともと「東京グリーンテニスクラブ」が占有していた土地で、約7,700㎡という広さがある。4階建て3棟構成で、建ぺい率と容積率の低い第一種低層住居専用地域の中に収まっているため、建物は敷地の3割程度しか使っておらず、残りを庭と外構が占める。
その余白を使って造られているのが、1,000㎡を超える中庭「五感の森」です。テニスコート約5面分の緑地が建物の内側に広がる設計で、住人が日常的に森の空気に触れながら生活できるよう意図されています。常緑樹と落葉樹を組み合わせた植栽計画は、四季を通じて庭に表情が出るよう設計されていると公式サイトに記載があります。
南向き率が73%超という数字は、この物件の配棟に思想があることを示しています。3棟が南に開いた形で配置され、各住戸に光が入るように振られている。第一種低層住居専用地域は建物の高さが10mまでという制限があるため、周辺建物の高さも低く抑えられており、日照が遮られるリスクが低い土地です。この地域で4階建てが建つこと自体、規制の上限に近い使い方です。
駅徒歩5分の場所に7,700㎡の一低専大規模敷地が残っていたこと自体、都市の偶然と言っていいと思っています。テニスクラブ跡地という用途変更が認められたからこそ実現した規模感で、同じ条件を別の場所で再現するのは難しいんですよね。
駅から物件までの道のり
SECTION 03 / WALKING ROUTE
改札を出てから
上石神井駅は西武新宿線の各駅停車専用の小駅で、改札は1か所。出口は南北に分かれていますが、駅舎自体はコンパクトです。物件への最短ルートは南口方面へ出て、線路沿いを少し西に向かうルートです。改札を抜けると目の前に住宅街の始まりが見え、大通りの喧噪はほとんど感じません。
道のり前半(駅前〜中盤)
駅南口を出てすぐのエリアは、スーパーや小さな商店が混在する生活感ある街並みです。徒歩2〜3分でビッグ・エー(ディスカウントスーパー)の前を通り過ぎると、街の表情が変わり始めます。一戸建てや古いマンションが並ぶ落ち着いた住宅街へと切り替わり、歩くペースが自然に緩やかになる感覚があります。
道のり後半(物件直前)
さらに2〜3分歩くと、物件の外構に沿って植栽が連続して見えてきます。敷地境界に植えられた低木と中木が並び、建物の存在を街に向けてやさしく知らせる設計です。塀で囲むのではなく緑で境界を示すこの手法は、街並みに対してフレンドリーな印象を与えます。
歩いてみての体感
実際に歩くと5分は感じない程度の距離感です。道はほぼ平坦で、高低差1〜2m程度の微起伏はあるものの、坂と感じるほどの傾斜はありません。武蔵野台地の上に立地しているため、坂道を上って住宅地へ入るというよりは、台地の平坦部をそのまま歩いてくる道のりです。夜も住宅地の灯りが続くため暗くはなく、子連れでも歩きやすいルートです。
駅から物件まで、街の種類が2段階に切り替わる感覚があります。商業的な駅前から、生活感ある住宅街へ、そして緑が見え始める大規模敷地の前へ。この「切り替えのグラデーション」が帰宅時間を豊かにしてくれる道のりだと思いますよ。
立地と街の読み方
SECTION 04 / LOCATION
上石神井という街
上石神井は練馬区の西部に位置し、西武新宿線で西武新宿駅から各停で約23分の場所にあります。古くから閑静な住宅地として知られ、第一種低層住居専用地域が広がる街区は、タワーマンションが立ち並ぶような開発圧力とは無縁の落ち着きを保っています。石神井川がこのエリアを貫いており、石神井公園(徒歩約20分)や善福寺公園(徒歩約17分)へのアクセスも徒歩圏内にある緑豊かなエリアです。
鉄道アクセスの観点では、上石神井は急行停車駅ではなく各駅停車のみという制約があります。新宿(JR)まで乗換1回・約26分という所要時間は、城西エリアの他の駅と比べてやや遠い印象を受けるかもしれません。一方で、西武新宿線の立体交差化事業が区内で進行中であり、完成後は踏切の解消による道路・歩行環境の改善が見込まれています(完成時期は未定)。
生活インフラと学区
日常の買い物環境は充実しています。ビッグ・エー(徒歩3分)、西友上石神井店(徒歩6分)、いなげや練馬上石神井南店(徒歩9分)の3スーパーがあり、食材の調達で困ることはありません。医療施設や銀行も徒歩圏内に複数存在します。学区は練馬区立上石神井小学校(徒歩2分)・練馬区立上石神井中学校(徒歩3分)で、どちらも物件のすぐ近くにあります。小学校の校庭が敷地東側に接しているため、朝の時間帯は子どもの声が聞こえてくる可能性があります。
「一低専の住宅地に長く住む」という価値観を持つ方にとって、上石神井は十分な選択肢になると思っています。ただ、新宿や渋谷への通勤を日常とする方にとっては、各停のみ・乗換必須という路線の特性が、毎日の積み重ねとして響いてくることも正直に書いておきます。
ハザードマップで見る安全性
SECTION 05 / HAZARD
| 洪水浸水想定 | 石神井川・白子川の洪水ハザードあり(練馬区水害HM)。物件は川から約500m程度の距離。具体的な浸水想定深は購入前に練馬区公式マップで確認を推奨。 |
|---|---|
| 高潮浸水想定 | 対象外(内陸部) |
| 津波浸水想定 | 対象外(内陸部) |
| 土砂災害警戒区域 | 非該当(上石神井4丁目は指定外。隣接する3丁目の一部に指定あり) |
| 液状化危険度 | 低(武蔵野台地上に位置。練馬区の高リスク地域は大泉町・東大泉方面) |
| 地域危険度(地震火災) | 詳細は東京都地域危険度マップで確認。上石神井4丁目は木造密集度が低いエリア。 |
| 海抜・標高 | 約30〜35m(武蔵野台地。国土地理院地理院地図で確認推奨) |
| 最寄避難所 | 練馬区立上石神井小学校(徒歩2分) |
出典:国土交通省ハザードマップポータル/練馬区公式水害ハザードマップ/国土地理院地理院地図。洪水浸水深の数値は購入前に自治体の最新マップで必ずご確認ください。
海抜30m台の武蔵野台地という立地は、液状化や高潮のリスクが低い点で安心感があります。一方で石神井川の洪水ハザードについては、2018年の豪雨で上石神井周辺に浸水実績があることも踏まえて、物件敷地の具体的な想定浸水深を練馬区の最新ハザードマップで確認してほしいと思っています。
共用部の見立て
SECTION 06 / COMMON AREA
この物件の共用部の主役は、中庭「五感の森」です。1,000㎡を超える緑地が建物の内側に広がり、住人が自由に使える森林浴のための空間として設計されています。ベンチや散歩ができる動線が計画されており、外に出かけなくても緑と接触できる日常が想定されています。
エントランスは3棟のそれぞれに設けられており、各棟の住人が利用しやすい動線が確保されています。共用廊下は外廊下形式(南向き住戸の廊下は北側・内廊下形式の棟は要確認)で、宅配ボックスは全戸数に対応した台数が設置されています。駐車場は43台(総戸数106戸に対して約40%)で、台数としては平均的な水準です。電気自動車への充電対応の有無については、モデルルームでの確認を推奨します。
ZEH-M Oriented認定を取得しており、一次エネルギー消費量を基準値から27%削減した設計です。共用部の照明や設備にも省エネ配慮がされており、毎月の光熱費の抑制に寄与する設計です。
「中庭1,000㎡」という数字は単なる広さではなく、住人の日常に「外に出る習慣」を植え付けられる可能性を秘めているんです。マンションの共用部は使われて初めて価値が出ますが、散歩できる森があれば「ちょっと出てみよう」という気持ちが自然に湧きやすいと思っています。
専有部の見立て
SECTION 07 / UNIT PLAN
全体の間取り構成は1LDK+S〜4LDKと幅広く、専有面積は58.28㎡〜91.37㎡です。フラットスクエア工法が採用されており、室内に柱型が出ない設計になっています。四角い空間に家具が配置しやすく、面積に対して実際の使いやすさが高いのが特徴です。全戸に約2.3mのハイサッシが採用されており、リビングの天井まで光が入る開放感が標準仕様になっています。
Aタイプ(3LDK+可動収納:73.28㎡)
73㎡台の3LDKで、ファミリー向けの中心的なプランです。「ウゴクロ」と呼ばれる可動式収納ユニットが設置されており、子どもの成長や生活スタイルの変化に合わせてレイアウトを変えられる設計です。南向きのリビング・ダイニングは17畳程度の広さで、ハイサッシを通じて庭側に視線が抜ける住戸です。
B5タイプ(3LDK+WIC+納戸:67.55㎡)
67㎡台の3LDKで、価格帯は9,300万円台〜。ウォークインクローゼットと納戸が確保されており、収納量は比較的充実しています。コンパクトな3LDKですが、各部屋の独立性が保たれた標準的なファミリープランです。
Epタイプ(3LDK+可動収納+WIC:91.37㎡)
最大専有面積91.37㎡の3LDKで、本物件の中で最も広いプランです。3LDKでありながら90㎡超という面積は、各部屋にゆとりが生まれる設計です。可動収納ウゴクロとウォークインクローゼットの両方が備わっており、収納に困らない生活が期待できます。価格は未公開(モデルルームでの確認が必要)。
フラットスクエア工法による「柱型なし」の室内は、特に子育て世帯に効いてくると思います。子どもの遊び場として使うとき、家具の配置を変えるとき、部屋の壁面を家具で埋めたいとき、柱型の突起がないことは地味ながら確実に生活の自由度を上げてくれるんですよね。
価格と周辺相場
SECTION 08 / PRICE
第2期7次(2026年5月現在)の価格帯は8,200万円台〜1億4,800万円台。第1期では7,100万円台〜の住戸も存在したようですが、現時点では売り出しがない状況です。坪単価の実績は441万円(3階・69㎡・3LDK)〜567万円(4階・72㎡・北東角・最上階)で、標準的な3LDKの住戸では470〜480万円程度が中心値と推定されます。
周辺中古マンションの坪単価
| 物件名 | 築年・坪単価・距離 |
|---|---|
| ヴェレーナ上石神井 | 築1年・@469万円/坪・上石神井駅5分(同一駅・徒歩同等) |
| シティテラス善福寺公園 | 築3年・@402万円/坪・上石神井駅11分 |
| パークホームズ吉祥寺北グランヴィラ | 築8年・@356万円/坪・上石神井駅19分 |
| グローリオ武蔵関 | 築10年・@276万円/坪・武蔵関駅(隣駅)25分 |
※坪単価は売り出し価格・成約価格を元にした目安。出典:SUUMO中古・IESHIL(2026年5月時点)。
上石神井駅徒歩5分・築1年の中古物件の坪単価が469万円という水準と、ルネグランの標準住戸坪単価470〜480万円を比較すると、新築と中古でほぼ同水準の価格が設定されています。これは「高い」とも言えますが、第一種低層住居専用地域・7,700㎡敷地・1,000㎡超の中庭という希少条件を考えると、「適正」の範囲内と私は判断しています。一般的なマンションでは付かない「大規模緑地の住み心地」を価格に乗せているという評価です。
周辺の中古価格と同水準という点は、購入後の資産性という観点では安心感があります。新築プレミアムを払っているわけではなく、敷地・緑地という付加価値に対して支払っているイメージです。ただし上石神井が急行停車駅でない事実は10年後も変わらないので、駅力の頭打ちは念頭に置いてほしいと思っています。
ここに住む日常
SECTION 09 / DAILY LIFE
この物件に住む日常を最も鮮明に想像できるのは、子育て世帯です。小学校が徒歩2分、中学校が徒歩3分という学区環境は、子どもを安全に通学させたい親には大きなメリットです。中庭「五感の森」は、学校から帰ってきた子どもが自然に外で過ごせる場所になります。
平日の朝は、新宿や池袋への通勤者にとって7時台の各停電車が選択肢の中心になります。ラッシュ時の乗車率は西武新宿線の中では比較的落ち着いており、座れる機会もあります。帰宅後は徒歩3分の西友、または徒歩6分の西友上石神井店でまとめ買いをして帰る動線が自然です。週末は石神井公園(徒歩約20分)や善福寺公園(徒歩約17分)へ歩いていける緑のある休日が選択肢として加わります。
DINKsや単身世帯にとっては、9,000〜11,000万円程度の価格帯は重くなる可能性があります。上石神井から渋谷や新宿への通勤を毎日こなすライフスタイルには、もう少しアクセスの良いエリアの物件が競合に浮かびます。この物件の「静けさと緑と一低専という世界観」に共感できる方に向いています。
朝、子どもを小学校に送り出して、自分は中庭で5分だけ深呼吸してから会社に向かう。そういう朝の使い方が毎日できる物件は、東京近郊では本当に少ないんです。生活の質という軸で見たとき、この物件の評価は上がると思っています。
まとめ
SECTION 10 / CONCLUSION
★評価(5段階)
※立地は急行非停車・乗換必須を減点。建物・将来性は第一種低層・大規模緑地という希少性を評価。価格は適正水準だが絶対値の高さから★3。
良い点
- 「駅徒歩5分・第一種低層住居専用地域・7,700㎡の大規模敷地」という三拍子は東京近郊では極めて希少。テニスクラブ跡地という偶然が生んだ組み合わせで、近隣での再現は難しい。
- 1,000㎡超の中庭「五感の森」は、毎日の帰宅時間に緑と空気を届けてくれる生活資産。共用部として「使われ続ける」設計になっている。
- フラットスクエア工法(室内に柱型なし)+約2.3mのハイサッシが標準仕様で、面積以上の広さと明るさが得られる室内設計。子育て世帯の家具レイアウトの自由度が高い。
気になる点
- 南側に西武新宿線の線路が近接しており、特に南向き住戸での電車音が懸念される。立体交差化工事が進行中だが完成時期は未定で、当面は騒音対策として窓を閉めることが前提の生活になる可能性がある。購入前にモデルルームと現地での騒音確認を強く推奨する。
- 上石神井は西武新宿線の急行非停車駅で、新宿(JR)まで乗換1回・約26分かかる。坪単価470〜480万円という価格帯は「利便性への対価」ではなく「一低専の静けさと緑への対価」として捉える必要があり、通勤時間に敏感な方には別の選択肢が浮かぶかもしれない。
こんな人にすすめる/すすめない
すすめる:30〜40代のファミリーで、閑静な住宅地に腰を据えて子育てしたい方。小学校・中学校が徒歩2〜3分という通学環境と、中庭で緑に触れる日常を重視する方。新宿・池袋への通勤を30〜35分以内と許容できる方。
すすめない:渋谷・新宿方面への毎日の通勤で時間効率を最優先する方。価格の絶対値(8,000〜1億円台)の大きさに対して、鉄道利便性との折り合いに疑問を感じる方。南向き住戸での線路騒音を日常として受け入れられない方。
・総合地所「ルネグラン上石神井」公式サイト:https://www.sgr-sumai.jp/mansion/r-kamishaku106/
・SUUMO「ルネグラン上石神井」物件概要:https://suumo.jp/ms/shinchiku/tokyo/sc_nerima/nc_67730566/
・国土交通省ハザードマップポータル:https://disaportal.gsi.go.jp/
・練馬区公式水害ハザードマップ:https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/bosai/suigai/hazardmap.html
・IESHIL 上石神井駅周辺中古マンション相場:https://www.ieshil.com/stations2183/buildings/
・周辺相場:SUUMO中古・IESHIL(2026年5月時点)
・周辺案内図:Google マップ(© Google)
※掲載画像は総合地所「ルネグラン上石神井」公式サイトからの引用です。