東京のマンションを、長く住む視点で見極めるために。
設計に携わる者の目で、カタログには書かれていない大切なポイントを、
分かりやすくお伝えしていきます。
東日本不動産流通機構が公表した2026年5月の首都圏中古マンション成約データで、成約㎡単価が73ヶ月(約6年)ぶりに前年同月を下回り、成約価格も19ヶ月ぶりにマイナスへ転じた。同月の首都圏新築マンション平均価格が1億660万円(前年比+13.5%)と高水準を維持していることと対照的に、中古市場では目に見える調整の動きが出ている。
内訳を見ると、都心・駅近・管理状態の良い物件は底堅い価格を維持しているが、郊外・築古・管理体制に不安のある物件で成約が伸び悩み、全体平均を押し下げている。つまり「全中古が下がった」という話ではなく、エリアと管理の質によって価格の明暗が分かれているのが実態だ。
「新築が高すぎるから中古へ」という動きが単純には進まない構造が見えてきた。人が住み続けたいと思える街の物件は中古でも評価が保たれ、そうでない物件は弾かれる——街の魅力と管理の堅実さを軸にした目利きが、これまで以上に住まい選びの鍵を握る。
中古も一律に動くわけではなく、「住み続けたい人が集まる街かどうか」が値段の土台になっています。賑わいや公園、顔見知りになれる商店街がある街は、相場が揺れても選ばれ続けますよ。
不動産協会が2025年11月に策定した新築マンション転売抑制の対策方針が、2026年に入り大手デベロッパーの間で本格実施フェーズに入った。柱となるのは①1回の販売期で登録できる住戸数の制限、②契約・登記等の名義厳格化、③売買契約締結から引き渡しまでの転売活動の禁止——の三点で、住友不動産をはじめとする主要デベロッパーが順次対応している。
背景には、投機目的で転売される物件が市場に流れ込み、本当に住みたい実需層が弾かれるという構造問題がある。都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)での新築短期転売率が12.2%に達していたことも、業界全体での対策を後押しした。千代田区が2025年7月に業界に対し「原則5年以内の転売禁止」を要請したことが、この流れに弾みをつけた。
転売規制が浸透すれば、新築マンションは本当に住む人の手に届きやすくなり、街のコミュニティが投資家主体ではなく実際に暮らす住人で形成されやすくなる。住人の入れ替わりが緩やかになることで商店街や公園など街の日常が豊かになり、長く住んでこそ感じられる暮らしの質が守られていく。
転売規制は「街に根づいて暮らしたい人を守る」ための動きです。住む人が長く腰を落ち着けるようになれば、子どもたちの顔なじみや隣人との挨拶など、街の温かみが育ちやすくなりますよ。
LIFULL HOME'Sが公表した「2026年みんなが探した!住みたい街ランキング(首都圏版)」では、「買って住みたい街」TOP3が初めて全て郊外の駅となる歴史的な変化が記録された。「湯河原」が首位を獲得し、「八王子」「八街」が続いた。都心の価格高騰を背景に、実需層が「いくらか」より「どんな生活ができるか」を軸に住む場所を選ぶ動きが、数字にはっきり表れた形だ。
サプライズのひとつが大崎(品川区)の急浮上だ。前回ランキング679位から今回37位へ642ランク急上昇し、1.6haに及ぶ「大崎リバーウォークガーデン」着工を機に問合せが激増した。再開発が「駅前の工事」から「街の変容」に変わった瞬間に、多くの人が気づき始めていることを示している。「借りて住みたい街」では葛西が2年連続1位を維持し、「アクセス・コスパ・物件数」の三拍子が支持の理由だ。
LIFULL HOME'Sが提唱する「こちくら郊外(心地よい暮らしを得られる郊外)」というコンセプトが浸透しつつある。公園・商店・学校がそろう駅近の郊外エリアが、都心への距離より「毎日の暮らしが気持ちよく回る街か」という問いで選ばれる本流になってきた。
「住みたい街」の顔が郊外になる時代が来ました。広い公園、顔なじみの商店街、子どもが歩いて通える学校——そういった地に足のついた豊かさを選ぶ人が増えているのは、街を扱う立場からとても嬉しい変化ですね。
住友不動産が板橋区上板橋で分譲する「シティタワーズ上板橋 イースト/セントラル」。東武東上線「上板橋」駅徒歩1分の南口再開発区域に建つ2棟構成の大規模タワーで、イースト(地上26階・全313戸)とセントラル(地上19階・全112戸)を合わせた合計425戸の規模を誇る。2026年2月に分譲を開始し、2028年5月の竣工を予定している。
上板橋南口は商店街の再整備と都市計画を一体で進めるエリアで、このタワーが街の核として賑わいを生み出す計画だ。東武東上線で池袋まで急行数分、埼玉方面へも伸びる幅広い路線利便があり、板橋区内でも交通アクセスと生活利便が急速に高まっている場所だ。住宅・商業・公共スペースが同時に整う再開発の街は、入居後に年々暮らしやすさが増す可能性を持っている。
26階建てと19階建ての2棟に分かれる計画は、低層〜高層のどの住戸でも採光と風通しを確保しやすく、高層階からは都心方面への眺望も開ける。住友不動産のシティタワーズブランドは管理・共用部の質感に定評があり、再開発による街の完成とともに住人コミュニティが同時に形成されるのが大規模タワーならではの強みだ。
上板橋は池袋の近さを感じながら、商店街や公園が息づく落ち着いた住宅街でもあります。駅から1分という圧倒的な近さは、雨の日も遅い時間も毎日ストレスなく動ける、積み重なると大きい快適さですよ。
阪急阪神不動産が杉並区荻窪で分譲する「ジオ荻窪」。JR中央線・東京メトロ丸ノ内線「荻窪」駅徒歩12分に建つ低層レジデンスで、全99邸・2LDK〜4LDK(54.93〜84.61㎡)の構成。価格は9,490万円〜1億7,990万円と高品質な設えに見合う価格帯で、2026年4月下旬の引渡を経て現在先着順の申込を受け付けている。
荻窪は中央線の快速が止まり新宿まで直通約15分、東京まで約25分のアクセスが良いうえ、古くから落ち着いた住宅地として親しまれてきた街だ。駅前の商業集積と一歩入った静かな住宅地が共存する杉並らしい豊かな環境の中、徒歩12分の道のりは商店街や公園・スーパーを通るルートで、毎日が心地よい散歩になるような暮らし方に向いている。
99邸という小ぶりな規模は住人同士の顔が見えやすく管理も行き届きやすい。4LDKまで選べる多様な間取りは在宅ワークや子どもの成長にも柔軟に対応でき、低層ならではの地面との近さや緑への近さも毎日の暮らしにゆとりをもたらす。都心へのアクセスを確保しながら静かな住宅地に腰を据えたい層に響く邸宅型レジデンスだ。
荻窪は中央線沿線でも品のある落ち着きが残る、住んでみると手放せない街です。小ぶりな邸宅系は住人が少ないぶん、エントランスや廊下で顔を合わせる距離感が生まれやすく、暮らしの安心感が違いますよ。
フジ住宅が相模原市中央区で分譲する「プレシス相模原レジデンス」。JR横浜線「相模原」駅徒歩8分に位置し、全131邸・3LDK中心で全邸南東向きのプランを採用する。横浜線の快速停車駅「相模原」へ徒歩8分という現実的な利便と、郊外らしいゆとりの住環境を組み合わせた実需向けの板状レジデンスだ。現在先着順で申込を受け付けている。
相模原市は圏央道・中央自動車道のアクセスも良く、橋本や相模原から横浜・東京へ直通でアクセスできる郊外の利便エリアだ。駅周辺には商業施設や公共施設が充実しており、生活の多くを駅徒歩圏で完結できる。都心価格の高騰で住宅予算が圧迫されるなか、広さ・住環境・価格のバランスが取れた選択肢として、子育て世代を中心に関心が高まっている。
全131邸という中規模の構成は、大規模タワーほど住人が多すぎず管理体制が行き届きやすい。全邸南東向きで朝の光と日中の明るさを安定して享受でき、3LDK中心の間取りは家族の成長に対応しやすい。無理のない価格帯で駅徒歩圏の板状レジデンスを探す実需層に向いた一棟だ。
相模原は駅前の使い勝手が良く、緑公園も多くてゆったり暮らしやすい街です。全邸南東向きで朝の光がしっかり入る環境は、一日を気持ちよく始められる、地味だけれど大事な条件ですよ。
旭化成ホームズが江東区亀戸で分譲する「アトラス亀戸レジデンス」。JR総武線・東武亀戸線「亀戸」駅徒歩8分に建つ地上14階・全52戸の小規模レジデンスで、住戸は2LDK(55㎡台)が9,598万円〜、3LDK(65㎡台)が10,998万円〜。2025年11月に竣工し、2026年6月下旬からの入居を予定している。
亀戸は亀戸天神の藤まつりや下町の商店街が残る江東区東部のエリアだ。JR総武線で錦糸町まで1駅・秋葉原や東京方面へも乗り換えなしでアクセスでき、下町情緒の暮らしやすさとターミナルへの近さを両立できる。亀戸天神・亀戸中央公園など徒歩圏に緑の散歩先が豊富で、日常のちょっとした外出先を楽しめる街だ。
52戸という小ぶりな規模は住人同士の顔が自然と見知りになり、管理の目も行き届きやすい。旭化成の「アトラス」ブランドは内装仕様・共用部の質感にこだわりがあり、コンパクトな物件でも設えの丁寧さが伝わる。単身・DINKSや下町生まれの住み替え層、駅近で穏やかに暮らしたい層に向いた一棟だ。
亀戸は錦糸町に近いのに、天神様と商店街が残るほっこりした空気があって、暮らしてみると居心地のよさに気づく街です。52戸の小さな建物は住人の顔が見えやすく、管理組合も温かみのある運営になりやすいですよ。
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はじめまして、ryoと申します。一級建築士として、集合住宅・分譲マンションの設計に携わっています。
図面を描く仕事を通じて学んだのは、「住まいの良し悪しは、カタログやモデルルームの印象だけではわからない」ということ。構造・管理・立地、そして長く住むための見極め方——設計の現場から見えている景色を、できるだけ平易な言葉でお届けします。
上質なマンション選びのパートナーとして、このノートがお役に立てば幸いです。