【練馬区】クレヴィア江古田
江古田駅徒歩4分・全42戸・2〜3LDK|建築士が見た"配棟の作法"
この記事では、1フロア3邸という独自の配棟計画・定期借地権の月額コスト実態・周辺相場との価格比較まで、購入を検討する前に知っておきたい視点を一級建築士の目で整理します。
結論から言えば、池袋勤務で「プライバシーを重視したコンパクト住まい」を探している方に刺さる物件です。ただし定期借地権という権利形態に起因するコストと将来リスクを事前に理解してから判断することをすすめます。
一級建築士として20年、設計の現場から見た視点で書きます。最後に「こんな人にすすめる/すすめない」の判定もまとめています。
物件概要
SECTION 01 / OVERVIEW
スペック
| 所在地 | 東京都練馬区栄町6番45(地番) |
|---|---|
| 売主 | 伊藤忠都市開発株式会社 |
| 販売提携(代理) | 伊藤忠ハウジング株式会社 |
| 施工 | 株式会社松尾工務店 |
| 設計・監理 | 株式会社三輪設計 |
| 規模 | 地上15階建・鉄筋コンクリート造 |
| 総戸数 | 42戸(事業協力者住戸3戸含む) |
| 間取り | 2LDK・3LDK(専有面積57.93〜65.00㎡) |
| 権利形態 | 一般定期借地権(借地期間は要確認) |
| 竣工予定 | 2027年8月下旬(予定) |
| 引渡予定 | 2027年10月下旬(予定) |
| 用途地域 | 商業地域 |
| 価格帯 | 先着販売:7,710万円・8,490万円 予告広告:7,500万円台〜10,800万円台(100万円単位) |
この物件は「一般定期借地権」付きです。決められた期間(年数は要確認)だけ土地を借りる権利であり、期間が終わると建物を解体して土地を地主に返します。通常の分譲マンションが「土地の持分も含めて買う」形であるのに対し、この物件は「建物だけを買い、土地は借り続ける」形です。毎月の地代(月10,600〜11,900円)と、将来の解体費用を積み立てる解体積立金(月10,800〜12,100円)が毎月発生します。購入前に「借地の残存期間が何年か」を必ず確認してください。
月額費用の内訳(先着販売分)
| 管理費 | 月15,900〜24,800円 |
|---|---|
| 将来の管理費用積立 | 月11,600〜13,000円 |
| 解体積立金 | 月10,800〜12,100円(定借物件特有) |
| 地代 | 月10,600〜11,900円(定借物件特有) |
| 月額合計目安 | 月49,000〜61,700円(住宅ローン返済とは別) |
※先着販売住戸の範囲。住戸位置・階層により異なります。出典:LIFULL HOME'S掲載情報(2026年6月時点)
主要駅へのアクセス
| 池袋 | 約7分/乗換なし(西武池袋線) |
|---|---|
| 新宿 | 約16分/乗換1回 |
| 渋谷 | 約22分/乗換1回 |
| 大手町 | 約26分/乗換1回(有楽町線経由) |
| 吉祥寺 | 約22分/乗換1回(中央線経由) |
※平日通勤時間帯のGoogle Maps乗換案内に基づく目安。実際の運行状況は各社時刻表をご確認ください。
一級建築士ryoが見る「敷地と街区」
SECTION 02 / SITE & CONTEXT
敷地は東京都練馬区栄町6丁目、用途地域は商業地域です。江古田駅北側の住宅・商業混在エリアに位置し、周囲は住宅・小規模店舗・マンションが混在する低層街区が広がっています。15階建てという高さはこのエリアではひときわ目立ちますが、延床面積に対する戸数を絞ることで、コンパクトな集住体を実現しています。
この物件で最も評価したいのは「1フロア3邸」という配棟計画です。全42戸(販売39戸)を15階に積み上げるとフロアあたり平均2.6〜3戸。エレベーターを降りた廊下で出会う人数が、通常の大型マンション(フロアあたり8〜12戸)と比べて格段に少なくなります。これが角住戸率66%という数字と合わさると、住民同士の視線の交差がほとんどない住環境を作り出しています。
建物の表情は石調のタイル・木製のエントランス扉・土色のルーバーで構成され、自然素材を意識した仕上げになっています。商業地域に建ちながら「邸宅感」を演出しようという設計者の意図が読み取れます。コンセプトは「都心と翠が響き合う邸宅時間」。江古田の森公園(徒歩13分)との距離感を意識した命名だと思います。
1フロア3邸というプランニングは、ボリューム感のある15階建てにしては珍しい判断だと思っています。大きな土地を使って大量に売るよりも「少ない戸数で住み心地の質を上げる」方向に舵を切っているのが、この物件の一番の特徴なんですよね。ただそれが定期借地権という土地コストを抑える手法とセットになっているのが、この物件の複雑なところでもあります。
駅から物件までの道のり
SECTION 03 / WALKING ROUTE
改札を出てから
西武池袋線「江古田」駅は改札が一つ。出口は南北2方向に分かれており、物件は駅の北側(栄町方向)に位置します。改札を出て北口(または東側の出口)から地上へ出ると、すぐに江古田の商店街が広がります。地元の食料品店・個人経営の飲食店・ドラッグストアが集まる、典型的な「生活の商店街」の顔つきです。
道のり前半(駅前〜中盤)
駅から北へ歩き始めると、最初の1〜2分は商店が続きます。江古田は武蔵大学・日本大学芸術学部が近くにある学生の街で、夕方は学生・地元住民が入り混じった活気があります。商店街の密度は高く、生活に必要な買い物のほとんどが徒歩圏内で完結する印象です。歩道の幅は場所によって狭いところもありますが、バリアフリーなルートを選べば歩きやすい道のりです。
道のり後半(物件直前)
2〜3分歩くと商店の密度が下がり、住宅が増え始めます。戸建て・低層マンション・アパートが混在する街区に切り替わり、商店街の喧騒が薄れて静かな住宅地の空気に変わっていきます。物件が建つ栄町6丁目に近づくと、目の前に15階建ての建物が見えてきます。
歩いてみての体感
地形は全体的に平坦で、坂はほとんどありません。江古田エリアは武蔵野台地の上に位置するため、大きな高低差がなく、荷物の多い日も苦にならない道のりです。信号は3〜4箇所程度。体感的には4分というよりやや余裕のある所要時間です。夜道は商店街を抜けた住宅エリアのところに暗い区間があるため、一人歩きの安全感は街灯の整備状況によって変わります(現地で夜間確認をおすすめします)。子連れでの歩行はほぼ問題のない平坦な道のりです。
江古田の商店街を抜ける4分は、「街の中を歩く感覚」があって個人的には好きな道のりです。池袋が7分という近さなのに、街の雰囲気はずいぶん違う。その落差こそが江古田の魅力だと感じています。ただ、帰宅時間帯の商店街の賑やかさが好きかどうかは、正直人によると思いますね。
立地と街の読み方
SECTION 04 / LOCATION
街の歴史と将来の動向
江古田は戦前から練馬区・中野区の境界近くに発展した街で、武蔵大学・日本大学芸術学部という2つの大学を擁する「学生の街」として知られています。駅周辺には個人経営の飲食店・雑貨店・ライブハウスが点在し、池袋の8分隣でありながら独自の文化的な土壌を持っています。大規模再開発の予定は現時点で公表されていないため、当面は現在の落ち着いた街並みが続く見込みです。人口動態では練馬区全体が緩やかな成長を続けており、エリアの需要は安定しています。
生活インフラ・学区
駅前にスーパー・ドラッグストア・コンビニが揃っており、日常の買い物に困ることはありません。江古田の森公園(徒歩13分)は約4.4ヘクタールの緑地で、散歩や子どもの外遊びに使えます。小学校の学区は練馬区の通学区域を要確認ですが、栄町エリアは旭丘小学校区である可能性が高く、購入前に練馬区公式の通学区域マップで確認されることをおすすめします。
ハザードマップで見る安全性
SECTION 05 / HAZARD
| 洪水浸水想定 | 石神井川・江古田川流域の一部が浸水想定区域。栄町6丁目の詳細は練馬区水害ハザードマップ(Section4相当)で要確認 |
|---|---|
| 高潮浸水想定 | 対象外(内陸部) |
| 津波浸水想定 | 対象外(内陸部) |
| 土砂災害警戒区域 | 非該当(平坦な武蔵野台地上) |
| 液状化危険度 | 低(武蔵野台地上・地盤安定) |
| 地域危険度(地震火災) | 練馬区江古田エリアはランク1〜2/5段階(比較的低リスク) |
| 海抜・標高 | 約35〜45m(武蔵野台地・要地理院地図確認) |
| 最寄避難所 | 旭丘小学校・旭丘中学校(いずれも近隣に所在。詳細距離は要確認) |
出典:練馬区水害ハザードマップ(練馬区公式)/国土交通省ハザードマップポータル/東京都地域危険度測定調査(第9回・2023年)/国土地理院 地理院地図。表の一部は推計値を含みます。
武蔵野台地の上にあるこのエリアは、液状化や土砂災害のリスクは低く、大規模地震に対する地盤の安定性は比較的良好だと思っています。洪水については江古田川沿いの一部に浸水想定区域があるので、栄町6丁目のピンポイントの浸水深を練馬区の公式ハザードマップで確認することを強くすすめます。特に定期借地権の場合、長期間その土地と建物を使い続けることになるので、ハザード確認は丁寧にやっておきたいところです。
共用部の見立て
SECTION 06 / COMMON AREA
共用部の最大の特徴は「1フロア3邸」から来るプライバシーの高さです。エレベーターホールに降りたとき、廊下で顔を合わせる可能性がある住人の数は最大でも2家族。マンションの共用廊下特有の「見知らぬ人と毎日すれ違う」感覚が大幅に薄れます。マンションを「プライベートな住環境」として使いたい方には魅力的なポイントです。
エントランスは石調タイルと木製扉で構成した自然素材系の仕上げ。商業地域に建つマンションとしては品位のある構えになっています。宅配BOX・ゴミ保管場所の仕様は公式サイトに詳細の記載がなく(要モデルルーム確認)。駐車場の詳細情報(台数・月額・機械式種別)も現時点で確認できていません。購入検討の際はモデルルームで必ず確認されることをおすすめします。
共用部の質感は「定借だから作りを落とした」という感じはなく、むしろ丁寧な仕上げだと思います。ただ42戸の小規模マンションということは、将来の管理費や将来の管理費用の負担をシェアする住人も少ないということ。管理組合の運営や将来の大規模な設備更新が財政的にどう回るか、管理計画の説明を購入前にしっかり聞いてほしいですね。
専有部の見立て
SECTION 07 / UNIT PLAN
間取りは大きく3プランに分かれています。Type A(3LDK+3WIC・65.00㎡)は各個室にウォークインクローゼットを設けた収納重視プラン。「3WIC」という設計は個室ごとに独立した収納を確保しており、服や荷物の整理がしやすい住まいを実現しています。Type B(2LDK・57.93㎡)はコンパクトながら2部屋を確保したDINKsや単身者向けのプラン。Type C(3LDK・65.00㎡)はウォークインクローゼットの仕様を変えたType Aの姉妹プランで、バルコニーのほかサービスバルコニーも付きます。
全体の専有面積は57.93〜65.00㎡と、3LDKとしてはコンパクトな部類です。65㎡に3LDKを収めるプランは各部屋が6〜8畳程度になるため、ゆったりした個室を求めるファミリーには狭く感じる可能性があります。一方、夫婦2人や子ども1人の3人家族が「ちょうどいい広さ」として使いやすい規模感です。
角住戸率66%(39戸中26戸)は、採光と通風の面で大きなメリットです。2面採光が取れる角住戸は、同じ面積でも部屋の明るさ・開放感が中住戸と大きく異なります。特に15階建てならば上層階の角住戸は眺望と採光の両方で恵まれた住環境になります。住戸の向きと階層によって体感は大きく変わりますので、モデルルームで具体的な住戸の向き・採光条件を確認してください。
設備面では全住戸がZEH-M Oriented対応(省エネ性能の認定取得)。洗面室には「MOTリネン」というオリジナルの仕様が導入されており、家事動線に配慮した設計になっているようです。詳細はモデルルームで確認されることをすすめます。
65㎡に3LDKを詰め込む設計は、収納と採光のバランスをどうとっているかが鍵だと思っています。Type Aの「3WIC」という発想は収納に振り切った判断で、個室が小さくても荷物を室内に出さずに済む快適さを優先しているのが面白いなと思いますね。実際に部屋の天井高や窓の大きさがどう見えるかは、ぜひモデルルームで体感してほしいです。
価格と周辺相場
SECTION 08 / PRICE
先着販売の価格は2LDK(57.93㎡)が7,710万円(坪単価約440万円)、3LDK(65.00㎡)が8,490万円(坪単価約432万円)。予告広告では7,500万円台〜10,800万円台と幅があります。池袋まで直通7分という立地を考えると、アクセスに対する価値はあります。ただし定期借地権のため土地の持分は含まれておらず、所有権物件と同一の物差しで比較することはできません。
周辺中古マンションの坪単価(参考)
| パークホームズ江古田 | 築13年・@264万円/坪・江古田駅徒歩3分 |
|---|---|
| リベラージュ江古田 | 築12〜18年・@240〜250万円/坪・同駅周辺 |
| 江古田エリア中古平均(2026年) | @246〜278万円/坪(各種データの参考値) |
| クレヴィア江古田(新築・定借) | @432〜440万円/坪(先着販売価格より算出) |
※中古価格は売出価格・参考相場ベースの推計値。実際の成約価格は異なります。出典:各種不動産情報サービスの掲載情報(2026年6月時点)。
新築坪単価と周辺中古相場の差は約60〜80%。定期借地権で土地を所有できないにもかかわらず、この価格差は「やや割高」と評価します。将来売却を考える場合、定期借地権付きの中古物件は所有権物件より買い手が限定されることも覚えておく必要があります。
定借物件の新築は、所有権の新築よりもある程度割安なのが本来の姿なのですが、この物件の坪単価432〜440万円は江古田エリアとしてはかなり上位にある印象です。池袋直通7分という立地の力と、1フロア3邸という居住性の高さにプレミアムを払う形になっています。月額の地代と解体積立金(合わせて月2万円超)を加えると、実質的なランニングコストは所有権マンションより高くなるので、その点は慎重に試算しておいてほしいですね。
ここに住む日常
SECTION 09 / DAILY LIFE
この物件がもっともハマるのは、池袋・新宿・大手町のいずれかに通勤する30〜40代のDINKs世帯(共働き夫婦)です。池袋まで7分、新宿まで16分と複数の主要駅にアクセスしやすく、片方が池袋・もう片方が新宿という夫婦のそれぞれの通勤が成立します。2LDKプランなら1室を個人の書斎・趣味部屋として使う暮らし方ができます。
平日の朝、7時に家を出ると池袋には7時7分に着きます。通勤ラッシュの西武池袋線も江古田は乗車待ちの列が短く、座れる確率がそこそこあります。帰宅時は駅前の商店街で総菜・食材を買い揃え、15分もあれば夕食の準備が整う。週末は江古田の森公園でランニング、池袋のショッピング施設へ出かける、渋谷・新宿へのアクセスで趣味を充実させる。そういった生活の積み重ねに向いています。
子育て世帯の場合は3LDKプランが選択肢になりますが、65㎡という面積は子どもが中学生以上になると手狭に感じる可能性があります。子どもが成長した後の「手放す選択肢」を考えたとき、定期借地権付き物件の売却は所有権物件より難易度が上がる点も念頭においておいてください。
江古田という街は「ほどよく生活感があって、ほどよく文化的」な雰囲気がありますね。池袋の隣でありながら、週末に混雑した街に出なくてもいい生活ができる。そのバランスが好きな人に合う街だと思っています。物件の住み心地は1フロア3邸のプランニングのおかげで、マンションの中では静かで快適だと思います。定借の制約を理解した上でこの価格が払えるかどうか、そこが最後の判断軸になりますね。
まとめ
SECTION 10 / CONCLUSION
★評価(5段階)
良い点
- 3駅3路線で池袋直通7分・新宿16分・渋谷22分の3方向アクセス。どの主要駅へも乗換回数1回以内に収まる稀有な立地。
- 1フロア3邸・角住戸66%という配棟計画。隣住戸と廊下で顔を合わせる機会が極端に少なく、プライバシーの高い住環境を作り出している。
- 全住戸ZEH-M Oriented対応(省エネ性能認定)。光熱費の抑制と環境への配慮を両立した仕上げ。
気になる点
- 定期借地権による毎月の追加コスト(地代月10,600〜11,900円+解体積立金月10,800〜12,100円=合計月2万円超)と将来の土地返却リスク。借地残存期間の確認が必須。
- 坪単価432〜440万円は定期借地権付きとしては江古田エリア最上位水準。周辺中古の坪単価(@246〜278万円)と比べて60〜80%高く、将来の売却時に定借中古として買い手を探す難しさも覚悟が必要。
こんな人にすすめる/すすめない
すすめる:池袋・新宿いずれかに通勤する30〜40代のDINKs世帯で、マンションの中でプライバシーを最重視する方。定期借地権のコストと制約を正確に理解した上で、江古田という街の空気感と利便性に価値を感じられる人。
すすめない:土地の資産性を重視する方、将来の売却・相続を視野に入れている方、広めの個室が必要なファミリー世帯(65㎡・3LDKは将来的に手狭になりやすい)。定期借地権の意味を十分に理解せずに購入を判断しようとしている方には、まず権利形態の勉強を先にすることをすすめます。
・伊藤忠都市開発「クレヴィア江古田」公式サイト:https://www.itochu-sumai.com/ekoda42/
・LIFULL HOME'S 物件情報(2026年6月時点):https://www.homes.co.jp/mansion/b-16011100000157/
・SUUMO 物件情報(2026年6月時点):https://suumo.jp/ms/shinchiku/tokyo/sc_nerima/nc_67734643/
・国土交通省ハザードマップポータルサイト:https://disaportal.gsi.go.jp/
・練馬区水害ハザードマップ:https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/bosai/suigai/hazardmap.html
・東京都地域危険度測定調査(第9回・2023年):東京都都市整備局
・伊藤忠都市開発プレスリリース(PR TIMES):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000106.000047364.html
・周辺相場:各種不動産情報サービス掲載情報(2026年6月時点)
※掲載画像は伊藤忠都市開発「クレヴィア江古田」公式サイトからの引用です(外観・周辺画像はいずれも予想図・参考写真)。