【葛飾区】クリオ レジダンス新小岩
新小岩駅徒歩7分・全136戸・3LDK|建築士が見た"動線の自然さ"
この記事では、敷地の計画・駅から物件までの体感・価格の妥当性・水害リスクまで、購入検討に必要な情報を一級建築士の目で整理します。
結論から言えば、東京駅直通15分の利便性を評価するファミリー層にはハマる物件です。ただし葛飾区の低地というリスクと、周辺相場に対する価格の高さは正直に書きます。
一級建築士として20年、設計の現場から見た視点で書きます。最後に「こんな人にすすめる/すすめない」の判定もまとめています。
物件概要
SECTION 01 / OVERVIEW
スペック
| 所在地 | 東京都葛飾区西新小岩4丁目82番1、他 |
|---|---|
| 売主 | 明和地所株式会社 |
| 施工 | 岩田地崎建設株式会社 東京支店 |
| 規模 | 地上13階建・鉄筋コンクリート造(一部鉄骨) |
| 総戸数 | 136戸(管理事務室1戸含む137戸) |
| 間取り | 3LDK〜3LDK+3WIC+SIC(27タイプ)・64.17〜105.02㎡ |
| 竣工予定 | 2028年9月下旬 |
| 販売開始 | 第1期:2026年6月下旬/第2期:2026年7月下旬(予定) |
| 価格帯 | 8,900万円台〜(第1期・参考)。第2期価格は2026年7月下旬に確定予定 |
| 管理費 | 16,040〜26,260円/月 |
| 駐車場 | 敷地内平置き38台(10,000〜26,000円/月) |
主要駅へのアクセス
| 主要駅 | 所要時間/乗換 |
|---|---|
| 東京 | 約15分/乗換なし(JR総武線快速) |
| 大手町 | 約18分/乗換1回(東京駅→東京メトロ丸ノ内線) |
| 錦糸町 | 約10分/乗換なし(JR総武線快速・各駅) |
| 上野 | 約22分/乗換1回(東京駅→JR山手線) |
| 新宿 | 約37分/乗換なし(JR総武線各駅停車) |
※平日朝時間帯のGoogle Maps乗換案内に基づく目安。
一級建築士ryoが見る「敷地と街区」
SECTION 02 / SITE & CONTEXT
西新小岩4丁目の住宅街の中に建つ、RC造13階建136戸のレジデンスです。この規模感はいわゆる「街なかの大規模分譲」で、50〜80戸の小規模板状とは異なる集住の論理が設計に出てきます。敷地は矩形に近く、南北どちらかを向く棟が主軸になっています。低層住宅が並ぶ街区に13階の建物が入ることで、周囲から一段高い存在感になります。
注目したのは「動線の自然さ」です。136戸の住人が毎日帰宅するとき、駐車場からエントランスへの流れ、エントランスから各住戸への動きが、どれだけ自然につながるか。この物件は平置き駐車場38台を採用しており、機械式ではないため、駐車後すぐに歩き始められます。エントランスアプローチは緑に囲まれた設計で、外と内の切り替え空間として機能しています。敷地内に宅配BOXとゴミ置き場が帰宅動線上に配置されているかは現地確認が必要ですが、平置き駐車場がその動線を乱さない点は評価できます。
さらに、共用施設としてパティオ(中庭)とルーフバルコニーが設けられています。中庭は住人がエントランスを通る際に必ず視界に入る位置にあると想定され、内側に向けた共用の余白空間として働きます。136戸に対して27タイプのプランニングを用意している点も設計の姿勢の表れで、同じ面積帯でも複数の間取り解釈を持つことでファミリー構成に応じた選択ができます。
平置き駐車場の採用は「帰宅動線を乱さない」という点で地味に大事な選択だと思っています。機械式は便利に見えて、出庫に時間がかかったり音が出たり、日常の小さなストレスが積み重なるんですよね。27タイプというバリエーションも、販売上の都合以上に、住む人の生活を細かく想像した結果なんだろうと感じます。
駅から物件までの道のり
SECTION 03 / WALKING ROUTE
改札を出てから
新小岩駅は南北に改札口があります。西新小岩4丁目方面へは北口側から出るのが近道です。改札を抜けると、駅前のロータリーとバス停が広がります。駅の南口側には「シャポー新小岩」の商業施設が連なっており、成城石井やスターバックスが入っていますが、物件への道のりは北方向です。
道のり前半(駅前〜中盤)
北口から環状七号線の方向に向かい、西新小岩の住宅街に入っていきます。駅前の商業的な雰囲気は100〜200mで終わり、2〜3階建ての戸建て・アパートが並ぶ静かな住宅地に切り替わります。新小岩は昭和期からの下町的な雰囲気が残るエリアで、商店や工場が混在する区画もあります。この道のりは昼間は明るく安全な印象で、夜間も住宅地のあかりが続きます。
道のり後半(物件直前)
西新小岩4丁目の番地に近づくにつれて、戸建てと低層マンションが混在する街区の中に、13階建ての建物の姿が遠方から見えてくる感覚です。物件直前は幅員6m程度の生活道路で、植栽が道沿いに続くアプローチが迎えてくれます。商業施設がなく、住宅地の静寂の中に敷地があります。
歩いてみての体感
徒歩7分というのは550m前後で、都心のマンションと比べると一呼吸ある距離です。ただし葛飾区西新小岩は荒川の低地で、起伏はほぼ皆無です。坂も段差もなく、フラットな道が続きます。雨の日に荷物を持って歩く場合でも、体への負担は少ないです。夜間の照明は住宅地レベルで、特別明るくはありませんが、人通りがある程度ある環境です。子ども連れでも特に危険な箇所はないと感じます。
全行程フラットというのは、実は毎日の積み重ねで効いてきます。坂があると雨の日・荷物が多い日・子連れのときに体感距離が変わるんですが、ここは変わらない。7分×2=1日14分の移動が1年で85時間。同じ距離でも坂ありとフラットでは体感がぜんぜん違うんですよね。
立地と街の読み方
SECTION 04 / LOCATION
街の歴史と再開発動向
新小岩は葛飾区の南西部に位置し、JR総武線が貫くターミナル性から古くより発展した生活エリアです。南口には全長約400mのアーケード商店街「ルミナリエ」があり、1950年代から続く下町商店文化の面影が残ります。近年は「シャポー新小岩」の整備とともに駅周辺の利便性が向上し、ファミリー層の流入が続いています。大規模な再開発計画こそないものの、葛飾区は新小岩駅周辺の各地区でまちづくり方針を策定しており、駅周辺の顔立ちは少しずつ更新されています。
生活インフラ・学区
駅直結の「シャポー新小岩」には成城石井・スターバックスが入り、駅前の「チャオ新小岩」でも日用品がそろいます。23時まで営業するスーパーもあり、帰宅時間が遅い共働き世帯でも買い物に困らない環境です。医療機関は駅周辺に内科・小児科・歯科が充実しています。学区は西新小岩4丁目の番地によって異なりますが、葛飾区立上平井小学校(同4丁目内)または松上小学校(駅から約450m)が対象となります。購入前に葛飾区教育委員会に正確な学区を確認することをおすすめします。中学校は葛飾区立新小岩中学校(徒歩約9分)が近隣です。公園は新小岩公園が敷地近くにあり、子育て世帯の日常的な外遊びの場になります。
ハザードマップで見る安全性
SECTION 05 / HAZARD
| 洪水浸水想定 | 荒川・中川・新中川の氾濫時に浸水想定あり(最大3m程度の想定区域に近接) |
|---|---|
| 高潮浸水想定 | 高潮ハザードマップで対象エリア(低地のため) |
| 津波浸水想定 | 対象外(内陸部) |
| 土砂災害警戒区域 | 非該当(低地・平坦地形) |
| 液状化危険度 | 高(葛飾区全体的に液状化リスクが高い) |
| 地域危険度(地震火災) | 葛飾区は区全体として火災延焼危険度が高い街区が点在 |
| 海抜・標高 | 約0〜2m(荒川下流の沖積低地) |
| 最寄避難所 | 葛飾区立松上小学校(徒歩約8分)等の地域避難所を確認推奨 |
出典:国土交通省ハザードマップポータル/葛飾区水害ハザードマップ(令和7年3月版)/東京都液状化危険度マップ
葛飾区・特に西新小岩は荒川と新中川に挟まれた沖積低地です。大規模な河川氾濫が起きれば広域的に浸水する地形で、これは建物の性能でカバーできない話です。液状化リスクも全体的に高い。ハザードについては「そのリスクを受け入れた上で住む」と決断するか、どうしても低地のリスクが気になる方は別エリアを検討した方が良いと思います。建物の品質は良くても、土地の地形リスクは変えられないので。
共用部の見立て
SECTION 06 / COMMON AREA
エントランスアプローチは「緑に囲まれる」設計が公式から強調されている通り、外構の植栽計画に力が入っています。外から敷地に入り、建物の玄関に至るまでの距離感と緑の量が、帰宅時の切り替えとなる空間です。この「外と中の境目を丁寧に作る」という設計態度は、量産型マンションと差別化できる部分です。
パティオ(中庭)は共用施設の中心的な存在で、136戸の住人が「敷地の内側に緑があること」を日常的に感じられる場所です。マンションの中庭は維持管理次第で荒廃しやすいですが、設計段階で植栽密度と管理しやすい構成にしてあるかどうかで、10年後・20年後の姿が変わります。ルーフバルコニーは最上階付近の住人に向けた屋上テラスで、共用施設として設けられています。駐車場は先述の通り平置き38台で、136戸の約28%をカバーしています。車を持つ全員に駐車場が当たらない可能性があり、マイカー依存度が高い方は購入前に確認が必要です。宅配BOXの設置数・自転車置き場の台数については公式サイトに記載がなく、モデルルームや竣工時に確認することをおすすめします。
平置き駐車場というのは、費用がかかっても機械式を使わないという意思決定です。機械式は導入コストが安い一方、将来の維持費・更新費が高くなりがちで、住人のランニングコストに影響します。この選択は長く住む側に優しい判断だと思っています。ただ、136戸に対して38台は少なめなので、車が必要な方は抽選で確保できるかどうかが重要な確認ポイントになりますね。
専有部の見立て
SECTION 07 / UNIT PLAN
27タイプという多彩なプランニングのうち、代表的な3タイプを見ていきます。全プランが3LDK系(2LDK+S含む)で、専有面積は64〜105㎡。ファミリー向けに振り切った設計です。
Fタイプ(70.01㎡・3LDK+3WIC)── 家事動線の中心
バルコニー面積12.06㎡を含む70.01㎡の3LDK。3つのウォークインクローゼットがそれぞれの個室に配置されており、家族それぞれが独立した収納スペースを持てます。対面式キッチンで家族とのやりとりがしやすく、スライディングドア(引き戸)で洋室を開放すると約19.2畳の広さになります。2wayのキッチン動線が書いてあれば確認したい部分ですが、対面式によって食事の準備から片付けまでの動きが生活空間と自然につながる設計です。
K2タイプ(70.95㎡・3LDK+2WIC)── 収納の充実
70.95㎡(バルコニー11.88㎡)の3LDK。Fタイプより0.94㎡広い専有面積に、2つのウォークインクローゼットと片付けストレージが加わります。対面式キッチンとLDKの接続はFタイプと同傾向ですが、収納の場所が少し変わることで、物の流れ・しまい方の設計が変わります。スライディングドアで洋室を開放したときの開放感はFタイプと同様です。子どもが成長する過程で部屋を分けたい・まとめたいという変化に対応しやすいプランです。
Lタイプ(80.01㎡・3LDK+3WIC+SIC)── ゆとりの広さ
80.01㎡(バルコニー11.97㎡)の3LDK。FタイプやK2タイプより10㎡広く、3つのウォークインクローゼットに加えてシューズインクローク(SIC)がつきます。玄関まわりで靴・ベビーカー・外出用品をまとめて収納できるため、子育て世帯には特に使い勝手がよい間取りです。スライディングドアで洋室を開ければ約19.5畳の空間になり、来客時や休日のくつろぎ時間に余裕が出ます。ファミリー向け物件のなかで「収納と広さのどちらも妥協したくない」層が選ぶタイプでしょう。
3タイプに共通しているのは「スライディングドアで空間を可変させる」という設計の意図です。子どもが小さいうちはつながったワンルーム感覚で、成長したら個室に分ける。この住み方の変化に同じ家が対応できるというのは、15〜20年住む分譲向けの考え方ですよね。ウォークインクローゼットが複数あるのも、個室ごとに収納が完結するため共有スペースが物であふれにくいという実用上の強みがあります。
価格と周辺相場
SECTION 08 / PRICE
第1期の参考価格は8,900万円台〜10,400万円台です。代表プランの坪単価は427〜469万円程度で、平均すると460万円前後になります。第2期(2026年7月下旬販売予定)の価格は2026年7月に確定する予定で、現時点では未公表です。
周辺中古マンションの坪単価(参考)
| 物件名 | 築年・坪単価・補足 |
|---|---|
| 新小岩パーク・ホームズ | 築不明・@228万円・駅徒歩15分・西新小岩3丁目 |
| クリオ新小岩ウエストテラス | 築12年・@218万円・駅徒歩21分・東四つ木2丁目 |
| 新小岩エリア中古平均(2025年) | 駅10分圏・築10〜15年・@250〜320万円(参考) |
| 本物件(新築) | 新築・@427〜469万円(第1期参考価格) |
※中古参考価格はSUUMO掲載情報・成約価格等に基づく目安。実際の成約価格とは異なる場合があります。
周辺中古の坪単価(250〜320万円)に対し、本物件の新築坪単価は427〜469万円と約130〜220万円/坪の差があります。これは40〜70%のプレミアムです。新築であること・ZEH-M Oriented取得・住宅設備15年保証・平置き駐車場・27タイプ間取りという付加価値がそのプレミアムの根拠になりますが、東京都の城東エリアの相場と比較しても、葛飾区の物件として見ると割高の判断になります。竣工が2028年9月なので、引き渡し後に中古流通した場合の価格維持については慎重な見方が必要です。
ここに住む日常
SECTION 09 / DAILY LIFE
想定購入者像は、30〜40代の共働きファミリーが中心です。東京駅まで快速で15分という通勤利便性を評価しつつ、葛飾区の地価水準(都心より手ごろ)でファミリー向けの3LDKを求める層にハマります。
平日の朝は、7時台の快速電車に乗り込むとほぼ座れる確率があります。東京駅まで15分で着くため、丸の内や大手町への通勤も苦になりません。帰宅は新小岩駅の南口で「シャポー新小岩」に立ち寄り、成城石井で惣菜や食材を調達します。徒歩7分、フラットな道を歩いて帰れば夕食の準備が始まります。Fタイプの対面キッチンなら、子どもがリビングで遊ぶのを見ながら料理できます。週末は新小岩公園で子どもを遊ばせ、少し足を伸ばせばルミナリエ商店街の飲食店でランチというのが日常の風景になります。
東京駅直通15分というアクセスは、数字以上に体感が楽だと思います。錦糸町乗換なしで行けるのは、毎日積み重なるとかなりの差になりますよね。下町感のある新小岩という街が「都会に疲れた日の逃げ場」になる感覚もあって、そういう暮らしのトーンが好きな方にはよく似合う立地だと感じます。
まとめ
SECTION 10 / CONCLUSION
★評価(5段階)
良い点
- 東京駅まで快速直通15分。乗換なしで都心主要エリアに出やすく、通勤負担が少ない
- 平置き駐車場を採用。機械式の故障リスクや将来の更新費用がなく、帰宅動線がスムーズ
- ZEH-M Oriented取得+住宅設備15年保証。冬の床暖房、Low-e複層ガラスによる断熱性能が生活コストを長期的に抑える
気になる点
- 坪単価427〜469万円は葛飾区・新小岩エリアの中古相場(250〜320万円/坪)に対して約40〜70%高い。竣工後の価格維持には注意が必要で、購入目的が居住用であること前提で検討すべき
- 西新小岩は荒川・中川に囲まれた標高0〜2mの低地で、大規模水害時の浸水リスクが高い。液状化危険度も葛飾区全体として高く、これは建物性能でカバーできない地形的リスク
こんな人にすすめる/すすめない
すすめる:丸の内・大手町方面に通勤する30〜40代共働きファミリーで、葛飾区の下町感が心地よく感じられる方。マイカーは1台持ちで平置き駐車場を確保できれば満足という世帯。家族構成が変わっても間取りの使い方を変えてしばらく住み続けるつもりの方。
すすめない:洪水・液状化リスクを許容できない方、または地形的安全性を住まい選びの最優先にする方。資産性を重視して売却益を期待する投資目的の購入は、現状の価格水準では厳しいと判断します。車を複数台所有しているファミリーは、駐車場の台数不足から不便を感じる可能性があります。
・明和地所「クリオ レジダンス新小岩」公式サイト:https://www.meiwajisyo.co.jp/clio/947_Shinkoiwa/
・SUUMO 物件概要:https://suumo.jp/ms/shinchiku/tokyo/sc_katsushika/nc_67736154/
・国土交通省ハザードマップポータル:https://disaportal.gsi.go.jp/
・葛飾区水害ハザードマップ(令和7年3月版):葛飾区公式サイト
・周辺相場参考:SUUMO中古マンション(葛飾区)/国土交通省不動産取引価格情報
・掲載画像は明和地所「クリオ レジダンス新小岩」公式サイトからの引用です(完成予想図含む)。