東京のマンションを、長く住む視点で見極めるために。
設計に携わる者の目で、カタログには書かれていない大切なポイントを、
分かりやすくお伝えしていきます。
(公財)不動産流通推進センターは2026年9月11日、全国の指定流通機構(レインズ)に登録された2026年8月の既存住宅の成約データをまとめた。既存(中古)マンションの平均成約価格は4,047万円で前年同月比2.79%下落し、3か月ぶりのマイナスとなった。㎡単価は62万5,600円(同3.46%下落)で、前年を下回るのは75か月ぶり、約6年ぶりのことだ。
中身を見ると、平均専有面積は66.21㎡(同1.27%増)と広がる一方、平均築年数は28.30年(同5.95%増)と古い物件の比率が上がっている。成約件数は6,006件(同8.04%減)で、6か月連続の減少。つまり「築年数の経った広めの物件」が相対的に多く売れ、単価を押し下げた面もある。単純に「中古が値下がりし始めた」と読むのは早いが、高値の物件ほど動きにくくなっている様子はうかがえる。
首都圏でも成約件数の前年割れが続いており、新築価格の高止まりとは対照的に、中古市場では買い手が慎重になっている。売り出し在庫が積み上がる局面では、同じエリア・同じ広さの物件を比べて選べる余地が広がる。数か月単位で単価の推移を追い、下落が一時的なものか流れの変わり目なのかを見極めたいところだ。
単価が下がって面積が広がっているのは、「駅から少し離れても広い家」を選ぶ人が増えているサインかもしれません。比べられる物件が増えている今は、気になる街を2〜3か所に絞って、休日に歩き比べてみるのにいい時期です。
東武不動産は2026年9月11日、東京都豊島区東長崎で賃貸マンション「ヴィスターコート東長崎(仮称)」を開発すると発表した。同社の賃貸マンション新規開発事業の第3弾にあたる。西武池袋線「東長崎」駅から徒歩10分、敷地面積271.68㎡・延床面積466.58㎡の地上3階建てで、総戸数は12戸。2027年8月の竣工を予定する。
間取りは1LDKのみで、専有面積は32.77㎡と35.02㎡の2タイプ。単身者や2人暮らしのニーズを見込んだ構成だ。大型の開発ではなく、住宅街の一角に建つ12戸という規模は、周囲の街並みになじみやすく、入居者同士も顔が見えやすいサイズ感といえる。
都心の家賃が上がり続けるなかで、池袋から近い西武池袋線沿線の住宅地は、通勤のしやすさと落ち着いた暮らしを両立したい若い世代の受け皿になっている。1LDKで30㎡台前半という広さは「一人でもゆとりが欲しい」「2人で住み始める最初の家」という需要に合う。大手の分譲だけでなく、こうした小規模な賃貸の供給が沿線の住み替えの選択肢を支えている。
東長崎は駅前に昔ながらの商店街が残っていて、よく行くお店ができやすい街です。池袋に近いのに夜は静か、というバランスは、一人暮らしの最初の街や、2人で住み始める街として候補に入れてほしいエリアです。
三井不動産、八王子市、東京都立大学の3者は、京王相模原線「南大沢」駅前の公共空間を再整備するための共同研究を始めた(R.E.port、2026年9月11日報道)。期間は2026年9月1日〜2027年3月31日。駅前を「滞在・交流・にぎわい」が生まれる歩いて楽しい空間「みちひろば」へ転換することを目指す。
具体的には、ベンチやテーブルなどのストリートファニチャの設置、マルシェやワークショップなどのイベントを行い、道路空間を活用する「ほこみち制度」の導入も検討する。2026年9月19日〜11月3日には社会実験を実施する予定だ。南大沢駅前は整備から30年以上が経ち、再整備が求められていた。三井不動産は駅前の「三井アウトレットパーク」の一部建て替え・大規模リニューアルも計画している。
南大沢は商業施設・大学・公園・住宅地がコンパクトにまとまった多摩ニュータウン西部の拠点だ。ニュータウンの駅前は「車と歩行者を分ける」考え方でつくられてきたが、いまは「人が座って過ごせる場所」をどう増やすかが街の魅力を左右する。住民・学生・来訪者が一緒に使う広場が育てば、郊外の住宅地としての評価にもつながっていく。
駅前に座れる場所が増えるだけで、買い物帰りに知り合いと立ち話をしたり、子どもを遊ばせながら一息ついたりと、街での過ごし方が変わります。社会実験の期間に一度訪れて、平日と休日の人の流れを見てみると、住む街としての南大沢がよく分かると思います。
「クレヴィア練馬レジデンス」は、東京都練馬区中村北二丁目に建設中の全83戸・地上10階建のレジデンスだ。西武池袋線・豊島線・有楽町線「練馬」駅西口から徒歩10分、都営大江戸線「練馬」駅から徒歩12分、西武池袋線「中村橋」駅から徒歩9分と、2駅4路線が使える。売主は伊藤忠都市開発で、入居は2027年2月下旬を予定(公式サイト)。
間取りは2LDK〜3LDK、専有面積は52.93〜82.73㎡。価格帯は6,700万円台〜1億500万円台で、2026年9月下旬に次期販売を予定している。これまでの販売(第1期10次)では、52㎡台が6,790万円〜、63㎡台が7,990万円〜、70㎡台の角住戸が8,900万円台〜と案内されてきた。スーパーに隣接し、日々の買い物に便利な立地だ。
練馬駅は西武有楽町線直通で有楽町・渋谷方面へ、準急で池袋へ1駅約7分と、都心への足が速い。それでいて駅から少し離れると住宅地が広がり、区立公園や緑道も多い。23区の新築平均が1億円を超えるなかで、ファミリー向けの3LDKが1億円前後から検討できる選択肢として、城西・城北エリアを探す人の比較対象になりやすい物件だ。
練馬と中村橋のちょうど間という立地は、その日の用事で使う駅を選べるのが便利です。中村橋駅の近くには区立美術館もあるので、内見の日は片方の駅から歩いてきて、もう片方の駅まで歩いて帰ると、街の雰囲気が両方分かります。
「クレヴィア浜田山」は、東京都杉並区浜田山三丁目に計画された全34邸のレジデンスだ。京王井の頭線「浜田山」駅から徒歩7分、渋谷・新宿へはそれぞれ約17分。規模は地上9階建(10階相当)で、売主は伊藤忠都市開発。2026年9月下旬の販売開始を予定し、完成は2028年3月下旬の予定だ。
間取りは2LDK〜3LDK、専有面積は44㎡台〜107㎡台で全11タイプ。価格は2LDKが8,000万円台から、85㎡台以上のプレミアムプランは2億円台を予定する。内廊下を採用し、低炭素建築物認定も取得。一般分譲31戸にはガス衣類乾燥機が備わる。「上質な浜田山の邸宅」をコンセプトに、少戸数ならではの落ち着きを打ち出している。
浜田山は井の頭線沿線でも住宅地としての人気が根強い街だ。駅から徒歩6分ほどの「浜田山壱番街商店街」「浜田山パークストリート」で日常の買い物がまかなえ、徒歩10分ほどには善福寺川沿いの和田堀公園が広がる。34邸という規模は、住人同士の距離感がほどよく、長く住むほど顔なじみが増えていくサイズ感だ。
浜田山は、駅前の商店街から少し歩くとすぐに静かな住宅地になり、和田堀公園まで散歩できるのが魅力です。休日の朝に公園から駅まで歩いてみると、この街で子育てや老後を過ごすイメージがつかみやすいと思います。
「ヴェレーナシティ相模原」は、神奈川県相模原市中央区相模原六丁目に建設中の全100邸・地上15階建のレジデンスだ。JR横浜線の快速停車駅「相模原」駅から徒歩13分。売主は大和地所レジデンスで、第2期1次の販売を2026年9月中旬に予定(SUUMO、2026年9月11日更新)。引き渡しは2027年11月の予定だ。
間取りは1LDK〜3LDK、専有面積は42.55〜75.60㎡。第2期1次の予定価格は2,700万円台〜4,400万円台と、首都圏の新築としては手の届きやすい水準だ。全邸が南東・南西向きで、角住戸率は57%(100戸中57戸)。共用部にはオーナーズサロン、オーナーズテラスを設け、屋内自転車置き場は98台分を確保している。
周辺は桜並木が続く整った街並みで、公園まで徒歩3分、小学校まで徒歩6分、スーパーまで徒歩8分と、子育て世帯の日常がコンパクトに収まる。相模原駅の北側では、返還された補給廠の土地を活かしたまちづくりの検討が進んでおり、将来の街の変化にも注目が集まる。都心の価格高騰を受けて、横浜線沿線で広さと価格のバランスを取る動きの受け皿となりそうだ。
桜並木のある街は、春だけでなく、夏の木陰や秋の落ち葉まで季節を感じながら歩けます。駅から13分の道のりを実際に歩いて、途中の公園や学校の雰囲気を確かめておくと、毎日の通勤や通学が楽しみになるかどうかが分かります。
「イノバス浅草橋」は、東京都台東区浅草橋五丁目に計画された全19邸・地上14階建のコンパクトなレジデンスだ。JR総武線・都営浅草線「浅草橋」駅から徒歩7分、「秋葉原」駅へも徒歩14分で、蔵前駅も徒歩圏に入る。売主はオープンハウス・ディベロップメント。2026年9月下旬に販売開始を予定し、完成は2028年5月下旬の予定だ。
間取りは1LDK〜3LDK、専有面積は38.70〜77.10㎡。敷地面積約222㎡の細長い敷地に、1フロアあたりの戸数を絞って積み上げる構成で、全19邸が角住戸になっている。ZEH-M対応で、間取りや仕様を選べるオーダーシステムも採用する。価格は未発表だ。
浅草橋は人形・文具・革小物などの問屋街として知られ、近年は蔵前にかけて小さなカフェや工房が増えている。秋葉原・東京駅方面へのアクセスのよさに対して、街の空気は下町らしく落ち着いている。単身・DINKSの都心近接ニーズと、ファミリーの3LDKを同じ建物で受け止める少戸数物件として、城東エリアの選択肢に加わる。
浅草橋から蔵前にかけては、隅田川沿いの散歩道と個人商店が近く、歩くほど気に入る店が見つかる街です。内見の帰りに隅田川テラスまで足をのばして、週末をどう過ごせるか想像してみてください。
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はじめまして、ryoと申します。一級建築士として、集合住宅・分譲マンションの設計に携わっています。
図面を描く仕事を通じて学んだのは、「住まいの良し悪しは、カタログやモデルルームの印象だけではわからない」ということ。構造・管理・立地、そして長く住むための見極め方——設計の現場から見えている景色を、できるだけ平易な言葉でお届けします。
上質なマンション選びのパートナーとして、このノートがお役に立てば幸いです。