東京のマンションを、長く住む視点で見極めるために。
設計に携わる者の目で、カタログには書かれていない大切なポイントを、
分かりやすくお伝えしていきます。
新築マンションの短期転売が増えていることを受け、不動産協会は具体的な対策を「3本柱」として打ち出した。柱は(1)1物件あたりの購入戸数を制限する、(2)申し込みから契約・登記まで名義をそろえる、(3)引き渡し前の転売を禁止するの3つ。投機目的のまとめ買いや、引き渡し前に権利を転売する動きを抑える狙いがある。
背景には、東京23区の大規模新築で購入後1年以内に売られた住戸が都心6区で12.2%に達し、前年の約5倍ペースで急増したという国交省調査がある。これを受け千代田区は、再開発で供給する住戸について購入者は原則5年間転売できないよう要請。行政と業界の双方が、値上がりを加速させる短期売買への対応に動き出している。
こうしたルールは、すぐ売る前提の購入を減らし、本当に住みたい人へ住戸が届きやすくする効果が期待される。実際に暮らす人が増えれば、入居後の住人構成も落ち着き、マンション内や街のつながりが育ちやすい。検討するときは規制の有無だけでなく、「長く住む人がどれくらいいそうか」という目線で物件を見ておきたい。
転売目的の購入が減ると、実際に暮らす人が増えて街やマンションの雰囲気が落ち着きますね。長く住むつもりで選ぶ人には、むしろ追い風になる動きだと思います。
都心の新築が1戸平均1億円超で品薄が続くなか、郊外の駅近で大規模マンションの供給が相次いでいる。SUUMOの販売予定特集によると、千葉・八千代では東葉高速鉄道「村上」駅徒歩3分の立地で全967戸が6月下旬に販売開始予定。流山でも東武アーバンパークライン「運河」駅徒歩3分で全248戸が6月上旬に販売を始める。
首都圏全体の新築供給は2025年度に2万1,659戸と1973年度の調査開始以降で過去最少を更新し、2026年も歴史的な低水準が見込まれている。総量が絞られるなかで、まとまった戸数を出せるのは用地に余裕のある郊外の駅前エリアが中心。再開発で生活利便が整いつつある街に、ファミリー向けの選択肢が集まってきている。
大規模物件は共用施設や植栽計画にゆとりがあり、価格も都心より手が届きやすい。一方で、駅やバスの本数、買い物環境、学校までの距離など「毎日の動線」が暮らしやすさを大きく左右する。気になる物件は、最寄り駅から現地まで実際に歩き、朝夕の人通りや街の空気まで確かめておきたい。
郊外の駅近大規模は、価格と広さのバランスがとりやすいのが魅力ですね。駅前の便利さと住宅地の落ち着きが両立する街なら、子育て世帯にも心地よい。実際に駅から歩いて、毎日の生活が気持ちよく回るか確かめてみてください。
在宅勤務がすっかり定着し、住まいに「集中して働ける場所」を求める声が強まっている。2026年のリノベーションでは、用途を変えられる可変性のある間取りや、照明・空調・家電・防犯をまとめて操作できるスマートホーム機能が標準装備になりつつあり、住まいの使い勝手を底上げする動きが広がっている。
こうした流れは新築マンション選びにも波及している。これまでの「駅近・広さ・価格」に加え、ワークスペースを置ける一角があるか、通信環境は安定しているか、留守中でも荷物を受け取れる宅配ボックスがあるか——といった日常の使い勝手が、検討時の重要なチェック項目になってきた。共用部にコワーキングラウンジを備える物件も増えている。
働き方が多様になるほど、住まいに求める機能は人それぞれに変わる。だからこそ、間取り図の数字だけでなく「自分の一日がこの家でどう流れるか」を思い描いて選びたい。気になる物件は、平日の昼と夜、休日とで街の表情がどう変わるかも合わせて確かめておくと、暮らしのイメージがつかみやすい。
家で働く時間が増えると、住まいに求めるものも変わりますね。間取りの広さだけでなく、自分の一日がどう流れるかを思い描いて選ぶと失敗が少ない。街の昼と夜の表情まで歩いて感じてみてください。
日鉄興和不動産が世田谷区上馬で分譲する低層レジデンス「リビオ駒沢大学レジデンス」。東急田園都市線「駒沢大学」駅を最寄りに、地上3階建て・全17邸の希少な小規模で計画されている。間取りは1LDK〜3LDK(平均約77㎡)とゆとりがあり、南向き住戸率は70%超(17邸中12邸)、角住戸率は約58%(10邸)。2026年8月下旬の竣工予定で、6月下旬の販売開始が見込まれる。
駒沢大学は東急田園都市線で渋谷へ軽快に出られながら、駅周辺に商店や飲食店が程よく揃う暮らしやすい街。上馬は駒沢オリンピック公園を生活圏に持つ閑静な住宅地で、低層住宅やマンションが穏やかに並ぶ。緑道や公園が点在し、日々の散歩や子育てに心地よい環境が整っている。
都心でタワーが続く局面において、低層・全17邸という構成は、規模より住み心地と街の魅力を重んじる層に響く。南向き中心のゆとりある間取りは、二人暮らしから子育て世帯まで選択肢が広い。駒沢公園の緑と上馬の住宅地の静けさを歩いて、暮らしのリズムを確かめておきたい。
駒沢大学は渋谷に近いのに住宅地の落ち着きがある、長く愛される街ですね。駒沢公園の緑から上馬の静かな通りまで歩いて、低層ならではの穏やかな暮らしを感じてみてください。
旭化成ホームズが中野区中野三丁目で分譲する「アトラス中野フロント」。JR中央線・総武線、東京メトロ東西線「中野」駅徒歩3分、駅前再開発エリアの角地に立つ地上9階・全22戸の小規模レジデンスだ。間取りは1LDK〜3LDK(30.46〜67.11㎡)で全戸南向き。価格は6,780万〜1億7,980万円(第1期)で、6月6日に第1期グランドオープンを迎え、2026年10月下旬の入居が予定されている。
中野はJR中央線で新宿へわずか数分、東京メトロ東西線で大手町方面へも直通する利便の高い街。駅前は再開発で広場や歩行者デッキの整備が進み、サンモール商店街やブロードウェイの賑わいと、少し歩いた住宅地の落ち着きが共存する。買い物・外食・文化の選択肢が身近で、単身からDINKsまで暮らしやすい。
都心でタワーが続く局面において、駅徒歩3分・全22戸・全戸南向きという構成は、規模より立地と住み心地を重んじる層に響く。再開発で街の表情が変わりつつある中野駅前の希少な小規模物件だ。商店街の賑わいと住宅地の静けさを歩き比べ、自分の暮らしに合うリズムを確かめておきたい。
中野は新宿に近いのに下町の人情が残る、懐の深い街ですね。再開発で駅前が生まれ変わりつつある今、商店街からブロードウェイまで歩いて、賑わいと落ち着きが同居する空気を感じてみてください。
野村不動産が北区赤羽二丁目で分譲するタワーレジデンス「プラウドタワー赤羽」。JR京浜東北線・埼京線「赤羽」駅徒歩6分、東京メトロ南北線「赤羽岩淵」駅も徒歩圏に立地する。地上32階・全325戸の大規模で、間取りは2LDK〜3LDKが中心。2026年7月の販売開始が予定され、2027年11月下旬の竣工、2028年3月下旬の入居を見込む。
赤羽はJR各線が集まる交通の要所で、上野・東京・新宿方面へ自在にアクセスできる。駅前にはアーケード商店街や大型商業施設が揃い、生活に必要なものがほぼ駅周辺で完結する利便の高さが魅力。少し歩けば荒川や赤羽公園の緑も身近で、下町情緒と都市機能がバランスよく同居した街だ。
首都圏の新築供給が過去最少で推移するなか、複数路線が使える赤羽駅徒歩6分・全325戸のタワーは希少性が高い。生活利便と交通利便を兼ね備え、共働き世帯や住み替え層に届きやすい構成だ。商店街の賑わいから荒川の土手まで歩いて、赤羽という街の懐の深さを体感しておきたい。
赤羽は交通も買い物も驚くほど便利で、それでいて下町の温かさが残る街ですね。商店街の賑わいから荒川の土手まで歩いて、毎日の生活が気持ちよく回る街の空気を感じてみてください。
JR西日本プロパティーズなどが千葉県流山市東深井で分譲する大規模レジデンス「プレディア流山運河ステーションフロント」。東武アーバンパークライン「運河」駅徒歩3分、地上7階・全248戸の規模で計画されている。間取りは1LDK+2S〜4LDK(57.20〜76.95㎡)、価格は3,598万〜5,198万円と都心では難しい広さと価格のバランスが魅力。2026年6月上旬の販売開始が予定されている。
流山市はつくばエクスプレス開業以降、子育て世帯の流入で人口が伸び続ける街。運河駅周辺は利根運河の水辺や緑が身近で、落ち着いた住環境が広がる。市は「母になるなら、流山市。」を掲げ送迎保育ステーションなど子育て支援に力を入れており、ファミリーが暮らしやすい土壌が整っている。
都心の新築が1億円超で品薄が続くなか、駅徒歩3分・大規模・5,000万円台までという構成は、価格と住環境のバランスを重んじる実需に届きやすい。広めの間取りは子育て世帯にちょうどよい。運河の水辺や周辺の公園、買い物環境まで歩いて、毎日の暮らしやすさを確かめておきたい。
流山は子育て支援が手厚く、水辺や緑も身近な暮らしやすい街ですね。運河駅から現地まで歩いて、休日に家族で過ごせる水辺や公園の心地よさまで含めて、暮らしの楽しさを感じてみてください。
2026.05.05
世田谷区
【世田谷区】パークホームズ下北沢ガーデン|下北沢駅徒歩9分・全63戸・2〜4LDK|建築士が見た"緑道との関係"
→
2026.05.02
杉並区
【杉並区】パークホームズ東高円寺|東高円寺駅徒歩3分・全39戸・1〜3LDK|建築士が見た"低層の佇まい"
→
2026.04.29
荒川区
【荒川区】クレストタワー西日暮里|新三河島駅徒歩4分・全113戸・2〜3LDK|建築士が見た"アプローチの設計"
→
2026.04.26
練馬区
【練馬区】クリオ石神井公園ザ・グラン|石神井公園駅徒歩4分・全66戸・大型住戸主体|建築士が見た"邸宅地の継承"
→
2026.04.25
国分寺市
【国分寺市】クレヴィア西国分寺|西国分寺徒歩8分・全54戸・3LDK|建築士が見た"街区計画"
→
本セクションには広告(アフィリエイト)リンクが含まれます。掲載サービスは編集部で実際に利用または信頼性を確認したものに限定しています。
はじめまして、ryoと申します。一級建築士として、集合住宅・分譲マンションの設計に携わっています。
図面を描く仕事を通じて学んだのは、「住まいの良し悪しは、カタログやモデルルームの印象だけではわからない」ということ。構造・管理・立地、そして長く住むための見極め方——設計の現場から見えている景色を、できるだけ平易な言葉でお届けします。
上質なマンション選びのパートナーとして、このノートがお役に立てば幸いです。