東京のマンションを、長く住む視点で見極めるために。
設計に携わる者の目で、カタログには書かれていない大切なポイントを、
分かりやすくお伝えしていきます。
不動産経済研究所が2026年7月22日に発表したデータによると、2026年上期(1〜6月)の首都圏新築マンション平均価格は1億135万円と、上期として初めて1億円を超えた。6月単月の平均価格は1億137万円・㎡単価は153.0万円で、平均価格は3か月連続、㎡単価は14か月連続でそれぞれ前年同月を上回り、過去最高を更新した。
一方の供給は7,989戸(前年同期比0.8%減)で、上期としては過去最少水準だ。年間では2万3,000戸台まで落ち込む見通しで、過去50年で最低の供給量になるとみられている。用地取得の困難さ、建設コストの高騰、人手不足が重なり、デベロッパーが新規供給を抑制する構図が続く。
「価格が上がる→供給を絞る→さらに高止まる」という循環が固まりつつある。中古マンションの2026年6月の平均成約価格は5,208万円と前年同月をわずかに下回り2か月連続で前年比マイナスになっているのとは対照的だ。新築と中古で動きが異なる中、実需層が選べる物件の絶対数が減っている現実は変わらない。
供給が少ないということは、出会いの数そのものが減っているということでもあります。気に入った物件に出会えたとき、「もう少し待てば下がるかも」より「これに出会えたこと自体が貴重かもしれない」と判断できるかどうか。市場の状況を知ることは、その判断の材料になります。
住友不動産が2026年8月、「グランドシティタワー中野」として分譲予定の物件の予告広告を公開した。JR中央線・東京メトロ東西線「中野」駅から徒歩9分、東京都中野区中野四丁目の「囲町西地区第一種市街地再開発事業」の区域に立地する。地上25階・地下1階建、総戸数510戸で、間取りは1LDK〜3LDK。販売開始は2026年11月下旬を予告。竣工は2029年4月下旬、入居は2030年2月下旬の見通し(現在は予告広告段階)。
中野駅は青梅・三鷹方面のJR中央線と東京メトロ東西線の両方が使え、新宿まで約2〜3分という好立地。北口の囲町エリアは従来、倉庫や事業所が並ぶ街だったが、再開発によって商業・業務・住宅が複合する街区へと変わりつつある。住まいサーフィンの分析では、再開発による周辺地価の上昇効果が資産価値にも影響する可能性があるとされており、注目度が高い。
首都圏全体の新築供給が年間2万3,000戸台と過去50年で最低水準まで絞られている中での大型登場だけに、中野・新宿方面の実需を吸収する可能性がある。竣工まで3年近くある段階での検討になるため、「今の街」と「完成後の街」の2つをどう見立てるかが、このプロジェクトを選ぶうえでの核になる。
囲町は今まさに変わっている最中の街です。駅から9分の道を実際に歩いて、工事の囲いの向こうにどんな街が育つのか、自分なりにイメージしてから検討してみてください。
東急リバブルの不動産情報メディア「Lnote(エルノート)」が2026年後半の市況分析として「再開発エリアのマンション価格急騰。2026年後半に狙うべきは『一駅隣』『実需エリア』『都心近郊』」という記事を公開した。大規模再開発が進む駅の核心部では、シンボリックな物件分譲や商業施設開業が直接の価格急騰を引き起こしている一方で、そこから1〜2駅離れた「再開発の恩恵を受けながら、まだ価格が跳ね上がっていない」駅周辺に、実需層にとって現実的な物件が残っているという指摘だ。
都心近郊については「鉄道1本でアクセスできて、住環境は落ち着いている」という組み合わせが評価されやすい、とも言及されている。この傾向は近年の「住み続けたい街ランキング」で郊外・準郊外エリアが上位を占めてきた流れとも一致する。2026年のSUUMO住み続けたい街ランキング首都圏版の総合1位に湘南・鵠沼が入り、東京23区の家賃手ごろ部門1位に池上線沿線の御嶽山が選ばれた背景にも、同じような価値観の広がりが見えている。
2026年上期の首都圏新築マンション平均価格が1億135万円と初の1億円超になった今、「都心新築をそのまま買う」選択肢を持てる層は限られてきた。「再開発の波及効果を享受しながら、価格を抑えて入る」という戦略は、実需として住む人にとっても、将来の資産価値を意識する人にとっても、現実的な視点になっている。
「一駅隣」という発想は、電車に乗る時間が増えるというより、住む人の顔ぶれや街の空気が違うということです。再開発の核心地とその隣駅、両方の駅前を土日の午前中に歩き比べてみると、どちらが自分の暮らしに合うか感覚でつかめます。
「グランドシティタワー中野」は、東京都中野区中野四丁目の「囲町西地区第一種市街地再開発事業」区域内に建設中のタワーレジデンスだ。JR中央線・東京メトロ東西線「中野」駅から徒歩9分。建物は地上25階・地下1階建、総戸数510戸で、間取りは1LDK〜3LDK。売主は住友不動産で、販売開始は2026年11月下旬を予告。竣工は2029年4月下旬、入居は2030年2月下旬の見通し(現在は予告広告段階)。
中野駅は青梅・三鷹方面のJR中央線(特急・快速・各停)と、東京メトロ東西線の両方が使え、新宿まで約2〜3分という好立地。北口の囲町エリアはかつて倉庫や事業所が並ぶ街だったが、再開発で商業・業務・住宅が複合する街区へと変わりつつある。2026年4月から本体工事が始まり、現地では基礎工事が進行している。
竣工まで3年近くある段階での購入検討になるため、モデルルームで確認できるCGやパースと、現地の実際の景色の差を意識しておきたい。特に駅からの動線は周囲がまだ工事中で、竣工後に整備が完了してからの環境とは異なる。「今の街」と「完成後の街」の2つをどう見立てるかが、このプロジェクトを選ぶうえでの核になる。
囲町は今まさに変わっている最中の街です。駅から9分の道を実際に歩いて、工事の囲いの向こうにどんな街が育つのか、自分なりにイメージしてから検討してみてください。
「ヴェレーナ東京六町」は、東京都足立区に計画された全47戸のレジデンスだ。東武スカイツリーライン「六町」駅から徒歩6分。建物は地上7階建で、専有面積は62.50〜71.74㎡、全戸3LDK。売主は大和地所レジデンスで、マンションギャラリーは2026年9月5日にオープン。販売開始は2026年10月下旬、竣工は2028年5月・引き渡しは7月の見通し。
六町駅は東武スカイツリーラインの各駅停車駅で、浅草まで約25分、北千住では地下鉄千代田線・常磐線・つくばエクスプレスに接続できる。駅西側は区画整理が整備された住宅地で、公園や小学校が徒歩圏に揃う。足立区は北千住や竹ノ塚周辺の再開発で近年注目が集まっており、六町エリアも住宅地としての認知が広がってきた。
47戸・全戸3LDK・7階建という構成は、住む世帯の姿が明確だ。単身やDINKSではなく、子どもと暮らすファミリー向けに絞ったプランニングで、管理組合も少人数で動きやすい規模感になる。都内23区という利便性をある程度保ちながら、郊外並みの静けさと面積を確保したいという需要に向く。
六町という駅名は初めて聞く方も多いかもしれません。北千住や竹ノ塚と比べると知名度は低いですが、そのぶん生活のペースが落ち着いた街です。浅草や錦糸町まで乗り換えなしで出られる利便性と、静けさのバランスを現地で確かめてみてください。
「ヴェレーナ中浦和」は、埼玉県さいたま市桜区に計画された全50戸のレジデンスだ。JR京浜東北線・埼京線「中浦和」駅から徒歩7分。建物は地上6階・地下1階建で、専有面積は65.67〜87.57㎡、全戸3LDK。平均専有面積は73㎡超の広めの住戸構成が特徴。売主は大和地所レジデンス。マンションギャラリーは2026年9月5日にオープンし、販売開始は2026年秋、竣工は2029年1月・引き渡しは2月の予定。
中浦和駅はJR京浜東北線と埼京線の両方が使え、大宮まで約5〜10分、新宿まで埼京線直通で約35〜40分。さいたま市桜区は区画整理が進んだ閑静な住宅地で、駅周辺に公園や商店が揃い、落ち着いた住環境が広がる。首都圏の新築供給が減るなかで、さいたま市内の新築は面積あたりの単価が都内より抑えやすいエリアとして実需層の注目が続いている。
平均73㎡超という面積は、23区内の同価格帯では手に入りにくい広さだ。3LDKをゆとりある面積で確保したい世帯にとって、駅徒歩圏・大都市さいたま市・広さという三つが揃う条件は、価格とのバランスで評価しやすい。地下1階を含む構成は共用部の配置も確認しておくと判断の材料になる。
中浦和はコンパクトな駅ですが、大宮まで数分という立地は日常のフットワークを軽くします。埼玉に住むことへの心理的な敷居より、実際の通勤時間や生活費を計算してから判断する方が、ミスマッチが少なくなります。
「ヴェレーナ日野リグレ」は、東京都日野市に計画された全26戸の小規模レジデンスだ。JR中央線「日野」駅の徒歩圏に立地する。建物は地上6階建で、売主は大和地所レジデンス。マンションギャラリーは2026年9月5日にオープンした。竣工は2028年10月の予定で、詳細な間取り・価格は販売開始時に案内される。
日野市は多摩地区の中でも自然環境と交通利便のバランスが取れた街だ。JR中央線を使えば立川まで約5〜10分、新宿まで約45〜50分でアクセスできる。多摩川と浅川が流れ、都立高幡城跡公園や百草園など緑の多い場所が住宅地に近い。23区内に比べて用地が広く取れるため、同価格帯での面積ゆとりが出やすい。
26戸という戸数は、住民同士の顔が全員覚えられる規模だ。管理組合の運営も少人数で回ることになり、共用部の意思決定がしやすい。多摩エリアでは近年、リモートワークの普及を背景に「都心から離れても住まいの質を保ちたい」という需要が増えており、日野・日野本町周辺はそのニーズの受け皿になっているエリアのひとつだ。
日野は多摩川沿いの自然と中央線の利便性が同居している街です。26戸という小さな建物は、住む人同士の距離が近くなります。近所付き合いの密度感が合うかどうか、内覧のついでに共用廊下や入口の雰囲気も確かめてみてください。
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はじめまして、ryoと申します。一級建築士として、集合住宅・分譲マンションの設計に携わっています。
図面を描く仕事を通じて学んだのは、「住まいの良し悪しは、カタログやモデルルームの印象だけではわからない」ということ。構造・管理・立地、そして長く住むための見極め方——設計の現場から見えている景色を、できるだけ平易な言葉でお届けします。
上質なマンション選びのパートナーとして、このノートがお役に立てば幸いです。