東京のマンションを、長く住む視点で見極めるために。
設計に携わる者の目で、カタログには書かれていない大切なポイントを、
分かりやすくお伝えしていきます。
不動産経済研究所がまとめた2026年5月の首都圏新築分譲マンション市場動向によると、月間の平均価格は1億660万円(前年同月比+13.5%)、㎡単価は156.3万円といずれも高水準を維持した。発売戸数は1,447戸(+12.3%)と2カ月連続の増加で、供給にも回復の動きが見える。
一方、全国の既存(中古)マンションでは5月の成約価格が前年同月比で小幅に下落し、19カ月ぶりにマイナスへ転じた。新築の高値と中古の調整が同時に進み、エリア・築年数・管理状態による価格の二極化が一段と明確になっている。
市場全体が「高い」と一括りにされがちだが、実際には都心・駅近・管理良好な物件は底堅く、郊外・築古・管理に不安のある物件は調整を受けやすい。平均値に振り回されず、自分が住み続けたい街で価値が保たれるかを見極める視点が重要になる。
数字の上下より、「人が住み続けたいと思える街かどうか」が価格の底を支えます。賑わいと落ち着きが両立した街は、相場が動いても暮らしの満足度が下がりにくいですよ。
不動産経済研究所によると、2026年5月の首都圏新築分譲マンション発売戸数は1,447戸(前年同月比+12.3%)と2カ月連続で増加した。2025年度の供給は調査開始以降で過去最少を記録していたが、2026年は首都圏で2.3万戸(前年比+4.7%)、全国で6.2万戸(+3.4%)と緩やかな増加が見込まれている。
長く続いた供給の絞り込みは、用地取得難・建築費の高止まり・大規模再開発の端境期が重なった結果だった。ここにきて駅前再開発の竣工や郊外の大規模板状計画が動き出し、選択肢が少しずつ広がりつつある。
供給が増えれば、希少性だけで価格が押し上げられていた局面から、立地と住環境で選ばれる本来の競争に戻っていく。買い手にとっては、焦らず複数の物件を比較しながら、長く住める街を腰を据えて選びやすい環境になりつつある。
物件の選択肢が増えるのは、住む人にとって素直に良いことです。気になる街をいくつか歩き比べて、商店街やバス便、公園の使いやすさまで見てから決められる余裕が生まれますね。
価格高騰が続く都心を避け、郊外でも駅近・好住環境の物件を選ぶ実需層が増えている。LIFULL HOME’Sの調査でも、北習志野・柏・橋本・所沢といった郊外の駅が近年順位を上げており、「広い住戸面積・公園・教育環境・手頃な価格」という4条件がそろうエリアへの注目が高まっている。
背景にあるのはテレワークの定着だ。毎日の通勤が前提でなくなったことで、住まいに求める優先順位が「都心への近さ」から「日々の暮らしやすさ」へと移りつつある。広めの間取りで在宅ワークスペースを確保し、休日は近くの公園で過ごす——そんな暮らし方が現実的な選択肢になった。
郊外駅近は、駅前の生活利便と住宅地の静けさを一つの徒歩圏で両立できる点が強みだ。価格が手頃なぶん同じ予算で広い住戸に手が届き、子育て世代が腰を据えやすい。都心一極から周辺エリアへ、住まい選びの選択肢は着実に厚みを増している。
どこに住むかを「会社からの距離」だけで決めなくてよくなったのは大きな変化です。スーパーや公園、学校が徒歩圏で完結する街は、家族みんなの毎日が穏やかに回りますよ。
大和ハウス工業・東京建物が船橋市で分譲する「プレミストタワー船橋」。JR総武線・京成本線「船橋」駅徒歩2分、旧・西武船橋店跡地に建つ地上51階・高さ約192m・全677戸の千葉県最高層タワーレジデンスだ。住戸は1LDK〜3LDK(43.71〜134.02㎡)の63タイプで、2026年2月に販売を開始。竣工は2028年3月を予定している。
船橋はJR総武快速・京成本線・東武アーバンパークラインが集まる千葉県最大の交通結節点で、駅前には大型商業施設が集積する。都心へ快速で30分前後とアクセスがよく、千葉県内でも突出した生活利便性を誇る。最高7億円超の住戸を含み半数以上が1億円超という価格帯ながら、駅徒歩2分・県内最高層という希少性に注目が集まっている。
6〜40階のスーペリア、41〜48階のアッパースイート、49〜51階のトップスイートと、階層ごとに居住空間の豊かさを変えたグレード構成も特徴だ。大規模複合開発として駅前のにぎわいを取り込みつつ、上層階からは東京湾や都心方面への眺望が開ける。船橋の街の顔となるランドマークとして、話題性の面でも存在感が大きい。
県内最高層という象徴性もさることながら、船橋は買い物も外食も駅前で完結する暮らしやすい街です。駅徒歩2分という立地は、天候や年齢を問わず毎日の移動が苦にならない、長く効いてくる価値ですね。
大和ハウス工業が世田谷区代沢4丁目で分譲する「プレミスト代沢 Hillside Forest」。小田急線・京王井の頭線「下北沢」駅徒歩15分、京王井の頭線「池ノ上」駅徒歩14分の高台に建つ低層レジデンスだ。住戸は2LDK〜3LDK(76.01〜151.85㎡)とゆとりの大型プランが中心で、3LDK・約78㎡で1億9,890万円といった価格帯の邸宅型物件。竣工は2027年9月を予定している。
敷地は建物の高さや用途が厳しく制限される「第一種低層住居専用地域」に位置する。周囲に高い建物が建ちにくく、緑と空が広がる落ち着いた住環境が都市計画によって将来にわたり守られるのが、このエリア最大の魅力だ。下北沢の個性的な商店街・カフェ文化を徒歩圏に持ちながら、一歩入れば閑静な高台の住宅地が広がる。
下北沢は再開発で駅前が大きく生まれ変わり、緑道や小広場が整備されて街歩きの楽しさが増した。その賑わいから少し離れた高台の低層邸宅は、利便と静けさのバランスを求める層に響く。広い専有面積は在宅ワークや家族の成長に柔軟に対応でき、長く住み継ぐ前提の住まいとして価値が高い。
第一種低層住居専用地域は、将来も周りに高い建物が建ちにくく、空の広さが守られる安心感があります。下北沢の楽しさを徒歩圏に持ちながら高台で静かに暮らせるのは、とても贅沢な選択ですね。
タカラレーベンが足立区足立4丁目で分譲する「レーベン五反野 ONE FEEL」。東武スカイツリーライン「五反野」駅徒歩7分の立地に建つレジデンスで、住戸は3LDK(61.65〜74.18㎡)が中心。角住戸率75%・南東向きの開放的なプランを採用し、2026年6月下旬の販売開始を予定している。
五反野は北千住の隣にあり、東武スカイツリーラインで北千住へ1駅・都心方面へも乗り換えなしでアクセスできる。北千住は近年、商業施設の充実と大学キャンパスの集積で街の評価が大きく上がったエリアで、その利便を手頃な価格帯で享受できる五反野は、価格高騰の続く城東・城北で実需層の現実的な選択肢になっている。
ZEH-M Orientedと低炭素建築物のダブル認証を取得予定で、省エネ性能に配慮し光熱費の負担軽減が期待できる。角住戸中心の構成は採光・通風に恵まれ、駅徒歩7分の平坦な道のりは日々の買い物や通勤を楽にする。背伸びしすぎない価格で駅近・好間取りを確保したい子育て世代に向いた物件だ。
五反野は北千住の元気な街並みをすぐ隣に持ちながら、価格はぐっと現実的です。駅まで平坦な道で7分というのは、ベビーカーでも自転車でも毎日ストレスなく動ける、地味だけれど効いてくる条件ですよ。
大和ハウス工業・東京建物が横浜市鶴見区岸谷4丁目で分譲する「プレミスト鶴見花月総持寺ステーションフロント」。京急本線「花月総持寺」駅徒歩2分の駅前に建つ地上14階・全279戸の大規模レジデンスだ。住戸は2LDK〜4LDK(55.69〜90.78㎡)の38タイプと幅広く、2026年2月に販売を開始、竣工は2026年9月を予定している。
鶴見区は京急本線・JR京浜東北線が使え、横浜・川崎の両都心へ短時間でアクセスできる神奈川屈指の利便エリアだ。花月総持寺駅は各駅停車のみだが、隣の京急鶴見・京急川崎で乗り換えれば品川・横浜方面への移動もスムーズ。駅前再開発など街の将来計画も動いており、住環境の向上が期待されている。
279戸の大規模レジデンスは共用施設や管理体制が充実しやすく、駅前という立地ながら計画的な街区づくりでゆとりある住環境を確保している。横浜・川崎へのアクセスと駅徒歩2分の利便を手頃な価格帯で両立できる点が、ファミリー層を中心に支持を集める。郊外の大規模物件として、暮らしやすさと資産性のバランスがよい。
横浜にも川崎にもさっと出られて、駅まで2分。鶴見は派手さこそないけれど、毎日の暮らしが無理なく回る堅実な街です。大規模物件は住人同士のつながりやイベントも生まれやすく、子育て世代には心強い環境になりますよ。
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はじめまして、ryoと申します。一級建築士として、集合住宅・分譲マンションの設計に携わっています。
図面を描く仕事を通じて学んだのは、「住まいの良し悪しは、カタログやモデルルームの印象だけではわからない」ということ。構造・管理・立地、そして長く住むための見極め方——設計の現場から見えている景色を、できるだけ平易な言葉でお届けします。
上質なマンション選びのパートナーとして、このノートがお役に立てば幸いです。